仮面ライダー555:半田健人&芳賀優里亜 完全新作「パラダイス・リゲインド」への思い ファンに喜んでもらうため妥協なし「脚本も一部相談させていただいた」

Vシネクスト「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」に出演中の半田健人さん(右)と芳賀優里亜さん
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Vシネクスト「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」に出演中の半田健人さん(右)と芳賀優里亜さん

 特撮ドラマ「仮面ライダー555(ファイズ)」(2003~04年)の続編であり、完全新作「Vシネクスト『仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド』」が、2月2日から期間限定上映を開始した。今作で再び、主人公・仮面ライダーファイズ/乾巧とヒロイン・園田真理を演じた半田健人さんと芳賀優里亜さんに、新作に込めた思いなどを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇ファイズとは「やせ我慢の美学」

 「仮面ライダー555」は、仮面ライダーファイズに変身する乾巧が、人類の進化形態である怪人オルフェノク、その背後で暗躍する巨大企業スマートブレイン社と戦う平成仮面ライダーシリーズ第4弾。怪人側の苦悩も描かれるなど、単純な善悪二元論ではない重厚な群像劇が話題となり、放送から20年たった今も根強い支持を得ている。

 20周年記念に制作された「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」は、乾巧が消息不明となった数年後の世界が舞台。政府により再生されたスマートブレイン社は、オルフェノクの殲滅(せんめつ)を目指す企業へと変貌を遂げ、巧はかつてとは異なる姿の仮面ライダーネクストファイズへと変身し、同社の先兵になっていて……というストーリー。半田さんや芳賀さんらオリジナルキャストが集結する。

 --まず今作のオファーがあった際の心境を聞かせてください。

 半田さん:実は2022年の時点で『来年は20周年だけど何かやるのかね?』と、(キャスト)みんなで話していたんです。ファンのみなさんのために何かできることはないか、と模索していたので、正式に決まったときはその思いが実を結んだというか。なので(心の)準備はできていたよね?

 芳賀さん:うん! でも、まさか「555」単独で新作ができるとは思っていませんでした。

 半田さん:まさか劇場で上映できるとは……そこまで高望みはしていなかった(笑い)。結果一番良い形でお届けできることになり良かったです。

 --久しぶりに巧と真理を演じられていかがでしたか。

 半田さん:不思議なほど自然にできました。乾巧という役は、半分は自分の中の素材を使って演じていたので、そこまで役作りをしていないんです。半分は“自分自身”(笑い)。なのですぐに戻れるんです。芳賀さんは役作りはしていましたか?

 芳賀さん:私は、真理と自分は似ていると思っていないので、作っている部分はあったと思います。でも無理なく演じていたので、久しぶりでも、こうだったっけ?みたいなことはありませんでした。

 --役と“真逆”な部分はありますか。

 半田さん:巧は言葉数が少ないですが、半田は放っておいてもしゃべる人間ですから。それに、巧は本当のことをあまり言いませんが、半田は本当のことしか言いませんから。そこは真逆ですよね。

 芳賀さん:(爆笑)。

 --今作の巧も、あまり本心を語らなかったですよね。

 芳賀さん:それが「555」だもんね。

 半田さん:「555」とは何なのか一言でいうと「やせ我慢の美学」。それが一つの哲学になっている。みんな本当のことを言わないんです。

 芳賀さん:それでややこしくなる(笑い)。

 ◇ファンの期待は「絶対裏切らない」作品に

 --今作のストーリーは予想できましたか。

 芳賀さん:(変身アイテムが)ガラケーからスマホになるのは想像してたよね(笑い)。

 半田さん:うん。でもまさか新型ファイズが出てくるとは。そこまで奮発してくれるとは思っていませんでした。

 --大人に成長した巧や真理も登場します。

 半田さん:みんな成長していますが、実は劇中では厳密に“何年たった”とかは言っていないんです。そこはフラットに見ていただければな、と。何年後の世界かは見てくださる方の印象次第だと思っています。

 芳賀さん:もしかしたら5年しかたっていないかもしれませんし(笑い)。

 半田さん:そう捉えるのも全然アリだと思う!

 --予告が公開されると、大きな話題になっていました。

 半田さん:予告をご覧になると「え!そうなるの!?」と驚かれた方もいらっしゃると思います。でも、(本編を)全て見ていただけると、腑(ふ)に落ちる作品になっていると思います。期待は絶対裏切らないです。

 --それだけ自信の仕上がりになったということでしょうか。

 半田さん:僕は少なくとも“必ずしも真新しいものを作る必要はない”という考えなんです。新しさを求めるよりも、20年たった今も「555」を愛してくださっている皆さんに喜んでもらえるものを作りたいという気持ちが大きかった。ある意味では保守的なのかもしれませんが、そこを僕は守ろうとした。なので、脚本で一部相談させていただいた部分もありました。芳賀さんも、その点に関しては同意見でしたよね。

 芳賀さん:確かにそれはありました。今でも「『555』が好きです」「見てました」と言われることが多いのですが、そういったファンの皆さんに喜んでいただくことが、私たちの願いでもあります。後は、信頼していたスタッフさんたちだったので(率直に)意見を言えた部分もすごく大きかったです。そのおかげで、自信をもって喜んでいただける作品になりました!

 半田さん:安心して、胸を張ってお届けできる作品になりました。アップデートされた部分はありつつ、「555」のカラーもちゃんと維持されていて、見終わった後に必ず「『555』見たね」と満足していただけるような作品になっています。ファンの皆さんのために作った作品です。ぜひご覧ください!

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