連続ドラマ「泥濘(ぬかるみ)の食卓」(テレビ朝日系、土曜午後11時半)に出演している原菜乃華さん。幼なじみに異常なまでの愛情を抱き、ストーキングや脅迫行為にも及ぶ女子高生役を熱演中だ。「ここまで狂気的な役は初めてでした」という原さんに、今作の役作りについて話を聞いた。
ウナギノボリ
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ドラマは、伊奈子さん作の同名マンガ(新潮社)を、アイドルグループ「日向坂46」齊藤京子さんの初単独主演で実写化。田舎町のスーパーで働く純粋な性格の捻木深愛(ねじき・みあ、齊藤さん)が、スーパーの店長・那須川夏生(吉沢悠さん)に恋をし、そのまっすぐすぎる愛をエスカレートさせ、店長一家をむしばんでいく“パラサイト不倫”を描く。
撮影にあたり、原作マンガを読んだという原さん。「最悪の方向に物語がどんどん展開していく“ドロドロ”系の作品が好きなのですが、好みの“どタイプ”でした(笑い)! 登場人物みんなゆがんでいて“人間ホラー”と言えるような怖さがあり、それでいて先の読めない展開がドキドキでした」と声を弾ませる。
原さんが演じるのは、女子高生の尾崎ちふゆ。裕福な家のお嬢様で、那須川家の一人息子・ハルキ(櫻井海音さん)の幼なじみだ。ハルキに対する思いがすさまじく、ハルキを独占したいがために、学校で「自分をレイプしようとした」とウソのうわさを広め、クラスで孤立させる。ハルキが深愛に思いを寄せていることを知ると、さらに行動をエスカレートさせ、ストーキングや脅迫行為に及ぶ。
ちふゆについて「共感できるところはまったくないです(笑い)」と言いつつも、今作で一番好きなキャラクターだったという。
「ちふゆは、小さい頃から両親にほしいものを与えられ続けてきたために、手に入らないものに対しての執着がすごく強い子だと解釈していて。手に入って当たり前だと考えているから、相手にどう思われたいとか、嫌われてしまうんじゃないかという思考が欠落している。そこが普通の人と違っていて面白いなと思いました。そして、あれだけ人を思い続けるのもある種の愛情なんじゃないかと、魅力的に感じました(笑い)」
「とにかく強烈な子。ここまで狂気的な役は初めてかも知れません」と話す。演じる際は“出し惜しみしない”ことを心掛けている。
「バランスの見極めは監督たちが見てくれているので、自分ではストッパーをかけないようにしたいな、と。“とりあえずやってみる”ことを意識して、現場に臨んでます」
今年は、4月期の連続ドラマ「波よ聞いてくれ」(テレビ朝日系)や映画「ミステリと言う勿(なか)れ」に出演、NHK大河ドラマ「どうする家康」(総合)への出演も控えるなど、活躍中の原さん。「子役時代からオーディションにたくさん落ちてきて。でも今こうして少しずつですけど、お声掛けをいただく機会が増えてきて、ありがたいです」とほほ笑む。
今年8月で20歳を迎えた。「高校を卒業したとき、大学への進学も迷ったのですが、このお仕事でご飯を食べていこうと決心し、退路を絶つつもりで進学しませんでした。その選択に後悔はなく、お仕事にまい進していきたいです」と力を込める。
俳優としての目下の目標は「“自分の得意ジャンル”を見つけること」だという。「どのジャンルもまだまだなので。今はお声掛けしていただいた、いろいろな作品に挑戦して、苦手をなくしていこうと。全部を吸収するつもりで臨んでいます」とにっこり。口ぶりは謙虚だが、俳優業へのどん欲で熱い意思をのぞかせた。
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