俳優の桐谷健太さんが主演を務める「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」(WOWOW)で、このほど、原作者の真梨幸子さんが撮影現場を訪れ、コメントを寄せた。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
“イヤミス(読んでいて嫌な気持ちになるミステリー)の旗手”とも呼ばれる真梨さんの同名小説(徳間文庫)が原作。新人作家の小椋沙奈(倉科カナさん)が18年前の女子高生両親殺害事件をモチーフにした小説企画を、轟書房の編集者の橋本涼(桐谷さん)に持ち込んだことから始まるダーク・ミステリー。18年前に、交際していた青田彩也子(工藤美桜さん)を洗脳し、彼女の両親を殺害した罪で死刑が確定した大渕(橋本良亮さん)や、大渕と獄中結婚した妻の鈴木(大渕)礼子(蓮佛美沙子さん)、大渕の元愛人で、轟書房の編集長代理だった市川聖子(斉藤由貴さん)らさまざまな登場人物たちの抱える“黒い感情”の正体と事件の真実が明らかになっていく……。
真梨さんが訪れたのは、橋本の自宅での重要シーンの撮影日。部屋に貼られている事件の資料など細部にまでわたる丁寧な作りこみや、瞳の奥に何かを秘めた主人公を演じる桐谷さんの熱演に終始興奮していた様子だったという。
毎週日曜午後10時、WOWOWプライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンドで放送・配信中。全5話。
撮影中、橋本の部屋という設定の現場にお邪魔しました。まず目を引いたのが、壁に貼ってある資料の数々です。週刊誌や新聞の切り抜きだったり、メモだったり。その内容があまりに緻密で、「画面にはほとんど映らないであろう小道具にまでこんなにこだわっているなんて」と驚きつつ、この作品の成功を確信しました。まさに、神は細部に宿る。ディティールにこだわった作品は勝利する……という言葉通りの現場でした。
小道具だけではなく、役者さんたちのこだわりにも感嘆いたしました。役に合わせて減量なさった方、そして、増やした方。桐谷さんは、後者でした。桐谷さんといえば細マッチョなイメージだったのですが、現場でお会いした桐谷さんはかっぷくがよく、「あ、橋本がいる!」と足がすくむ思いでした。桐谷健太というキラキラなオーラを消し去り、橋本がまとう負のオーラを見事に再現されていました。その数カ月後、完成披露試写会で再びお会いすることになったのですが、そこにいたのは、細マッチョなキラキラな桐谷さん。いやー、つくづくすごい役者さんだな……と、感服いたしました。
原作のどんでん返しを、映像でどのように表現されるのかとても楽しみでした。結果は、期待以上のものでした。思わず、1 話から再視聴してしまうほど。なるほど、いたるところに伏線がありました。さりげないセリフ、仕草、小道具、すべてに意味がありました。
ルビンの壺(向かい合った顔にも見える壷の絵)のごとく、それまでそうだと思っていたものがすべて逆転する快感。視聴者のみなさまにもぜひ、味わってほしいと思います。二度見は必至です!
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