第47回日本アカデミー賞：磯村勇斗が「月」で最優秀助演男優賞　「たくさんの壁を痛感した作品」

　日本映画の祭典「第47回日本アカデミー賞」授賞式が3月8日、東京都内で開催され、映画「月」（石井裕也監督）の磯村勇斗さんが最優秀助演男優賞に選ばれた。

ウナギノボリ

解説：新たな“最高峰”を目指したガンプラ　45周年のこだわりとは

　磯村さんは「ちょっとビックリ……」と言葉を詰まらせながらも「本当にこの華やかな映画祭でこのような賞をいただけたことを大変うれしく思います」と喜びを語った。

　続けて「この映画は、参加するにあたっても、作るにあたっても、公開するにあたっても、たくさんの壁があって、本当に映画1本お客様の前に届けることがどれだけ大変かということをすごく痛感した作品です」とコメント。

　「今いただいた賞は自分がもらうというよりは、一緒に作り上げてきたチームの皆さんと一緒に喜びを分かち合えたなと思います。まだ世の中、不安定なことがたくさんありますが、自分の素足でしっかり地に足を着けて、またスクリーンで生きていきたいなと思っております」とスピーチした。

　映画は、実際に起きた障害者殺傷事件をモチーフにした、辺見庸さんの同名小説が原作。山奥の障害者施設で働く元作家の堂島洋子（宮沢りえさん）は、職員が入所者に暴力を振るっているという現実を目の当たりにする。そのことに誰よりも憤っている施設職員の同僚、さとくん（磯村さん）の中で増幅する正義感や使命感が、やがて怒りを伴う形で徐々に頭をもたげていく。そして、その日はついにやってくる……というストーリー。

　同賞は日本の映画芸術、技術、科学の向上発展のために設けられ、選考は日本アカデミー賞協会員の投票で実施される。今回の選考は、2023年1月1日～12月31日に公開された作品が対象。羽鳥慎一さんと岸井ゆきのさんが司会を務めた。

　◇優秀助演男優賞は次の通り（敬称略）

　磯村勇斗「月」▽伊藤健太郎「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」▽大泉洋「こんにちは、母さん」▽加瀬亮「首」▽菅田将暉「銀河鉄道の父」