俳優の福士蒼汰さん主演の映画「旅猫リポート」(三木康一郎監督)が26日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開される。愛猫の新しい飼い主を探しに、福士さん演じる青年が愛猫と共に旅する姿を描いている。猫とその飼い主の、愛情いっぱいの物語。ほのぼのとしたストーリーの裏に、もはや癒やし癒やされ、という次元を超えた飼い主とペットの、いや“家族”の深い絆が織り込まれている。
ウナギノボリ
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5年前、交通事故に遭ったところを助けてくれた青年・宮脇悟(福士さん)と、それ以来、一緒に暮らしてきた元野良猫のナナ。悟との生活に満足していたナナだったが、悟にのっぴきならない事情が持ち上がり、ナナを手放さなくてはならなくなった。ナナの新しい飼い主を探すため、ナナと悟は旅に出る……。
ナナの心の声を女優の高畑充希さんが担当。悟の叔母役で竹内結子さん、悟の高校時代の友人役で広瀬アリスさんらが出演する。原作は、人気作家・有川浩さんの同名小説(講談社文庫)。有川さん自らが脚本作りに参加し、やはり有川さんの小説を映画化した「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(2016年)の三木監督がメガホンをとった。
ナナの新しい飼い主探しの旅と共に、悟の過去がひもとかれていく。ナナの表情や仕草に癒やされ、悟のナナに対する愛情に胸を揺さぶられ、最後は心が温まる物語。泣いたり、笑ったりと表情がころころ変わる悟と、むっとしているのか喜んでいるのか分からないナナの対比がほほ笑ましく、見ているだけで優しい気持ちになれた。
猫のナナの天才役者ぶりに舌を巻いた。同時に、少年っぽい声でナナの心を代弁した高畑さんの表現の豊かさに感服した。ナナのおかしみや切なさが一層強く伝わってきたのは、高畑さんの声があってのことだろう。(りんたいこ/フリーライター)
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