まんぷく:来秋の朝ドラ タイトルには三つの意味 会見詳報1

NHK大阪放送局で行われた2018年秋から放送される連続テレビ小説「まんぷく」の制作発表会見に登場したNHKの真鍋斎チーフプロデューサー
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NHK大阪放送局で行われた2018年秋から放送される連続テレビ小説「まんぷく」の制作発表会見に登場したNHKの真鍋斎チーフプロデューサー

 NHKは14日、大阪放送局(大阪市中央区)で会見を開き、2018年秋の連続テレビ小説朝ドラ)が、脚本家の福田靖さんが手がけ、インスタントラーメンを生み出した実業家・安藤百福(ももふく)さんとその妻・仁子(まさこ)さんの半生をモデルにしたホームドラマ「まんぷく」に決まったと発表した。福田さんと、制作統括の真鍋斎(まなべ・いつき)チーフプロデューサー(CP)が出席した。会見の主な内容は以下の通り。

ウナギノボリ

 真鍋CP それでは発表させていただきます。平成30年度後期、来年の秋からの連続テレビ小説のタイトルは「まんぷく」でございます。よろしくお願いします。

 このドラマは、戦前から、戦中、戦後の高度経済成長にかけて、激動の時代と言われる大阪を生き抜いた、とある夫婦の物語でございます。

 この物語にはモデルがいらっしゃいます。ヒロインのモデルは安藤仁子(まさこ)さん。夫は安藤百福(ももふく)さん。安藤百福さんは大阪発祥の大きな食品会社の創業者で、かの有名なインスタントラーメンを開発した方でございます。

 百福さんは偉人として紹介されますが、その道のりは決して平坦(へいたん)なものではありませんでした。戦後まもなく、逮捕されてしまったり、全財産を没収されてしまったりというような浮き沈みの激しい人生をお送りになりました。そのたびにお子さんを抱えた妻の仁子さんは、ときには見守り、ときには背中を押すというような感じで、陰日向(かげひなた)に支えておられたということでございます。

 若いころから順風満帆だったわけではなく、最終的にインスタントラーメンを作った時には、もう2人とも40歳を超えていました。晩年にようやく大成功を収めたという波乱の人生をお送りになったお二人。そんなお二人をモデルにしまして、ときには想像力の翼を思い切り広げて、フィクションとして描いていきます。

 このドラマを私どもは、敗者復活の物語であると捉えました。必ず人はやり直せるんだという力強いメッセージを、皆さんにお届けしたいと思っております。「見れば元気が出るドラマ」を目指しております。

 (脚本を担当する)福田さんは「HERO」ですとか、「ガリレオ」ですとか数々の大ヒット作を手がけていらっしゃる方。私は、大河ドラマ「龍馬伝」に携わっておりまして、そのときに福田さんとご一緒しました。大河ドラマというと、やや堅いイメージがおありかと思うんですけれど、そのとき僕が福田さんからいただいていた脚本はとても楽しいものでした。もちろんシリアスなシーンもあるんですけれど、随所にちりばめられたクスッと笑えるようなところ、軽やかなところが印象的で楽しい脚本でした。

 そのころから私は、いつか福田さんに朝ドラを書いていただきたいと思っておりまして、7~8年越しになりましたけれど、ようやく実現をいたしました。おそらく楽しさにあふれた、しかも内容のあるドラマをお書きいただけるのではないかと今から期待しております。

 (スケッチブックに書いた直筆の文字を見せながら)「まんぷく」の一つ目の意味は(劇中のヒロインの夫の名前)萬平(まんぺい)さんと、(ヒロインの名前)福子さんの頭の文字をとって「萬福(まんぷく)」。二つ目はおなかがいっぱいの「満腹」。おなかがいっぱいになれば幸せになるというところ。三つ目は「万福」。ばんぷくとも読むようですけれども、意味は幸せに満ちあふれることです。皆さまの朝が幸せに満ちあふれたものになるようにという願いを込めて、このタイトルをつけました。

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