ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」が、発売から3年足らずで4000万台を突破し、VR(仮想現実)が体験できる「PSVR」の発売も控えるなど注目を集めている。同社の日本市場を統括する社内カンパニー「ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア」(SIEJA)の盛田厚プレジデントに話を聞いた。
ウナギノボリ
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--PS4は欧米では好調だが、スマホゲームが人気の日本では苦戦し、市場規模が縮小している。打開策は?
確かに減っているのは事実だが、「スマホゲームが出ているからコンソールが減った」といえば違う。かつてゲームをプレーした人たちが忙しくてゲームができなくなったからだ。打開するには三つのステップがある。一つは地道だがゲームタイトルを増やすことだ。昨年に続いて、今年も(新型PS4で)値下げをした。
--あと二つのステップは。
セカンドステップは、休眠ユーザーを掘り起こすことで、テレビCMもそうだし、30〜40歳代の人たちにゲームを楽しんでもらえるよう取り組む。最後のステップは、(休眠ユーザーが)ゲーム機を買おうとしても家族が壁になる場合がある。そこでVRやゲーム以外のサービスを充実させて「PS4を買いたい」と思わせたい。最終的にはほとんどの家庭でPS4があるようにしたい。つまり初代PSやPS2の時代に戻すのが狙いとなる。
--PSVRは予約が殺到するなど人気が高い。国内のVR市場をどう見ているのか。
最大値としては世帯数までは行き渡らせたい。VRにそれだけのポテンシャルはあると思っているが、今の段階では市場動向は読みづらいのが本音だ。そして売ることも大事だが、買った人が自慢できるようにするのがもっと大事で、購入者をしっかりフォローしたい。満足してもらえるコンテンツを提供するのが重要だ。
--PS4単独で遊べるソフトと、PSVRのソフトのどちらを重視するのか。
まずはPS4単体で楽しんでもらうのが一番の目的だが、PS4とPSVRはいずれかを選択するものではないと思っている。PSVRのフル対応ソフトも出ると思うが、PS4のタイトルをVR対応にしたり、一部対応にするケースもある。さらに言えば、ノンゲームのVRコンテンツもあるから、PSVRのソフトを出すからといって、PS4のソフトが減るわけではない。もちろんゲーム業界以外の企業ともVRについていろいろな話はしている。
--PS4やPSVRが注目を集めているが、PSVitaはどうなる?
PSVitaは、マインクラフトとともに、子供のユーザー層を獲得するのに貢献した。アンケート結果などでまだポテンシャルがあることは分かっていて、今の倍売れてもおかしくないと思っている。PSVitaは、「コロコロ」などの雑誌や「おはスタ」などの子供向け番組に加え、さらにイオンモールを中心に全国キャラバンを展開した。もちろんCMが必要になる場合もあるが、まずは子供たちに対してはフェース・トゥー・フェースで対応するのがカギを握ると思っている。PS4やPSVRはCMで派手にやって目立っているが、PSVitaも同じぐらい重要だ。
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