83年にNHKの朝ドラで放送され、テレビドラマ史上最高の視聴率62.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した伝説のドラマ「おしん」で、主人公のおしん役を演じた女優の小林綾子さん(40)が12日、映画版「おしん」の撮影に臨み、おしん役の濱田ここねちゃん(8)と“新旧おしん”で初共演を果たしたことが明らかになった。山形県での撮影に臨んだ小林さんは、「久しぶりに来たのですが、新幹線からの雪景色に懐かしい気持ちになりました」と笑顔を見せ、ここねちゃんとの初体面については、「自分もこんなに小さかったのかと驚きました」と振り返った。
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「おしん」は、脚本家の橋田壽賀子さん原作のテレビドラマ。NHK朝の連続テレビ小説で83年から1年間(全297話)放送され、同年11月12日の放送で記録した平均視聴率62.9%はテレビドラマ過去最高、期間平均視聴率も52.6%を記録している伝説のドラマ。約100年前、山形県の寒村に生まれ、苦難を強いられても決して負けることなく生きる女性・おしんを描き、世界86の国と地域でも放送されるなど人気を集めた。
映画版では、おしんの少女時代に焦点を当て、山形県の厳しくも雄大な自然の中で、数々の困難にぶつかりながらも、家族を思い、ひたむきに、愛らしくおしんが成長する姿を描く。原作は橋田さんで、30年前のドラマ脚本を基に新しいドラマを紡ぐ。おしん役には、約2500人の中から選ばれた宮崎県出身の新人のここねちゃん、テレビ版で泉ピン子さんが務めたおしんの母・ふじ役を女優の上戸彩さんが演じるほか、泉さんや岸本加世子さん、ガッツ石松さんらも出演する。「あの空をおぼえてる」などを手がけた冨樫森監督がメガホンをとる。
この日は、おしんが2回目の奉公で世話になる米問屋・加賀屋の家族と一緒に、初詣に訪れる場面を撮影。小林さんは、おしんの面倒をみる加賀屋の若奥様役で出演し、さい銭箱に投げるお金がないおしんにさい銭を渡し、家族でお祈りをするシーンに臨んだ。
当時、10歳でおしんを演じた小林さんは、「『おしん』は八十数カ国で放送されていて、『大事なものは何か?』という万国共通のテーマが描かれていると思います」とコメント。撮影については、「ここねちゃんと話をしたのですが、寒くて、冷たくて、私以上に大変なことをされているようでしたので、きっと映画にはリアリティーがあるし、迫力があると思います」と力を込めた。
一方、小林さんの「おしん」を参考にしながら役作りを行ったというここねちゃんは、「小林さんのおしんを見たときはすごいと思いました。(小林さんに会えて)緊張しています。でもうれしいです」と照れ笑い。冨樫監督は、「(ここねちゃんが)おしんになって乗り越えていくまでが大変でしたが、今ではおしんになって乗り越えてくれるようになった。今では強い顔になってきています」とここねちゃんの変化を明かした。なお、撮影には、山形県の吉村美栄子知事も参加した。映画版「おしん」は10月公開予定。(毎日新聞デジタル)
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