老衰のため亡くなった映画監督の新藤兼人さんについて山田洋次監督は30日、東京・成城の東宝スタジオで行われた映画「東京家族」の製作発表会見後に訃報に接し、黒澤明監督が亡くなった時を振り返りながら「仰ぎ見るような先輩がいなくなるのは寂しい」としのんだ。
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会見後に新藤監督の訃報を聞いた山田監督は「僕自身がいい年なので、新藤さんのような方が元気でいてくれるのは大事なこと、ありがたいことなんですよね。黒澤明監督が亡くなった時もとても悲しかった。黒澤さんと話していると僕自身が若者に思えてくる。そういう仰ぎ見るような先輩がいなくなるのは寂しい。それと同じようなことを感じた。一番の衝撃はそれですよね。僕の先輩ていうのは黒澤さんが亡くなり、市川崑さんが亡くなり。まだまだ新藤さんはお元気だと思っていたんだけれど」と語った。
新藤監督とは「6~7年前に会ったきりお会いしていない。パーティーなどでお会いしていた程度」だったという山田監督だが「新藤監督は苦しい思いをたくさんして映画を作り続けてきた監督。(印象に残っているのは)『縮図』『裸の島』『一枚のハガキ』。新藤さんにしかできない映画。今までの映画作り、常識を取っ払って新藤さんの肉声がスクリーンから聞こえるような肉声の映画でとても驚いた」と新藤さんをしのんだ。
新藤さんは「午後の遺言状」や「裸の島」などの映画で知られる映画監督・脚本家で、文化勲章受章者。29日午前9時24分、老衰のため死去した。享年100。(毎日新聞デジタル)
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