平清盛:視聴率苦戦も「ドラマはまだこれから」 プロデューサー語る

NHK提供
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 俳優の松山ケンイチさん主演で放送中のNHK大河ドラマ「平清盛」について番組の制作統括を担当する磯智明チーフ・プロデューサーが同局で会見を行った。視聴率で苦戦する同ドラマについて、映像が見にくい、人物関係が複雑という指摘に対して対策を取っているといい、「野球で言えば3回の表裏が終わったあたり。大河ドラマは全50回ある。(今後は)時代も変わり清盛も成長していく。清盛のドラマはまだこれからです。ようやく忠盛から棟りょうを引き継いで平家一門をどう背負って、どう束ねていくか。より多くの人に見ていただけるような努力を続けたい」と話した。

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 同ドラマの平均視聴率は、初回に17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。第2~4回は17%台と横ばいだったが、その後、徐々に数字を落とし、3月25日放送の第12回は12.6%、4月1日放送の第13回と22日放送の第16回で同作ワーストの11.3%となっている。同局によると初回から第16回までの期間平均視聴率は14.5%という。

 これまでの視聴率対策について磯プロデューサーは「画像は、平安時代のリアルさは残しつつも、コントラストなど調整できるところは改善していて、先日の16話と第1話では変わっている」とコメント。第2部からは、清盛が棟りょうになったことと、家の格が上がったことから以前より服装がきれいになるほか、ドラマ冒頭の人物関係説明や劇中で引き続き名前のテロップを使うなどして補足し、分かりやすさを重視する。脚本の見直しなどは行わない方針。

 会見は、29日放送の第17回から始まる第2部の解説のため行われた。第2部では清盛(松山さん)が平氏の棟りょうになり、保元の乱、平治の乱を経て、武士の頂点に立つまでを描く。

 磯プロデューサーは第1部を振り返り「いままでの清盛は、平家の中で自分の居場所を探し、その中で経験、成長を重ねていく話だった」と説明。2部について「ついに清盛が独り立ちをして日本の覇者になるようなステップを踏み始める。これまでの登場人物が、保元の乱、平治の乱で清盛と大きなドラマを生んでいきます。この時のためにいろんな登場人物の布石を打っていたので、清盛対義朝などメーンキャラクターの大きな芝居どころがありますので、そのあたりをぜひ楽しみにしていただきたい」と話した。

 第17回「平氏の棟梁(とうりょう)」は、1153年、弟・家盛(大東駿介さん)と父・忠盛(中井貴一さん)の死を経て、清盛(松山さん)は平氏の棟りょうの座につく。しかし、忠盛が残した功績ははかりしれず、清盛は棟りょうとしての自分の器に不安を感じ始める。また、先妻・明子(加藤あいさん)との子供の重盛と基盛、正妻・時子(深田恭子さん)との子供の清三郎と清四郎も成長し、清盛の母・宗子(和久井映見さん)は出家。新たな体制となったものの、不安を感じさせる平氏一門の船出を見かねた家成(佐藤二朗さん)は、清盛を朝廷にお披露目すべく、歌会を催し、そこで清盛に歌を一首詠ませようと画策する……という物語。総合テレビで毎週日曜午後8時放送。(毎日新聞デジタル)

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