美山加恋:妖怪の存在「信じますね!」 劇場版アニメ「ももへの手紙」で初主演

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 美山加恋さん(15)が主人公・ももの声を担当した劇場版アニメ「ももへの手紙」(沖浦啓之監督)が、21日に全国で公開される。アニメの主役は初めてだったという美山さんは「今までよりもせりふが多いので、ちょっと緊張しましたね」と当初の少し不安な気持ちを明かしたが、「でもすごくワクワクしていました。主役はやってみたかったです!」と笑顔で映画の魅力と、アフレコの思い出を語った。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 「ももへの手紙」は、瀬戸内の小さな島で、主人公の少女・ももに訪れる不思議な日々を描いた家族の愛の物語。ももの母・いく子の声を優香さん、不思議な妖怪、見守り組のイワの声を西田敏行さんが担当するほか、山寺宏一さんらも妖怪の声で出演している。演じたももについて、美山さんは「最初はせりふがなくて暗い無口な子だと思ったんですが、実は明るくて面白い子」と紹介し、「私が小学校5、6年のときにも、お母さんに素直になれない部分があった」とももに共感した。

 アフレコは優香さんと一緒に、ほかの出演者よりも早く収録したといい、「優香さんはすごく優しい方で、いく子さんそのままの温かい感じが本当にお母さんみたい。収録しているときも、私が叫んでいるシーンが多かったので、『大丈夫?』って言ってくださった」と振り返った。

 アフレコ時には妖怪の声がまだ入っておらず、映像は「ちょっと色が入っているくらいの絵コンテ」だったという。「妖怪をイメージしながらやりました」と話す美山さんに、妖怪の存在について聞くと「信じますね! テレビでそういう番組をやっていると『うわ~、本当!?』って見ちゃう」と目を輝かせた。「映画の中の妖怪に実際に会えるとしたら?」という質問には、すごく迷いながらも「イワは面白いし、カワは毒舌だし、マメは可愛い。みんな魅力があるんですよね……。でもやっぱりマメかな。そばにいたら癒やされますね。本当にいたら結構気持ち悪いけれど(笑い)、見てみたいですね」と笑顔で話した。

 声の演技は「自分の間で演技できないので大変」と語る美山さんだが、「ドラマはすぐに映像をチェックするので、完成が想像できるんです。だから、オンエアを見ると自分の反省会になっちゃう。その点、アニメだとすごく衝撃を受けますね。出来上がりを見ると『わあ、すごい!』って感動できる」と声の仕事の楽しみを語った。妖怪のイワ役を演じた西田さんの声は試写のときに初めて聴いたといい、「びっくりしました! 作品の中にいろんな色がギュッと詰め込まれた感じがしましたね。こんなふうになるんだと思いました」ととりこになったという。

 美山さんが演技でこだわったのは、人見知りだけれど明るくユニークなももの性格が出る動きの部分。「妖怪と会ってびっくりするところとか、『キャー!』と言って走り回るところとか、実は明るいももらしい突拍子もない動きをするので、そういうところをしっかり演じていこうと思いました」と語る。一番難しかった演技の場面は、「……一瞬で終わっちゃうんですが、緊張してつばを飲むシーン」という意外な答えで、「実際につばを飲むんじゃなくて、のどに空気をためて、『ぐっ』って言うんです。何十回やってもできなくて、『加恋、できないかな?』って監督に言われた……。最後まで自分でやりたいと思って頑張りました」と苦労を語った。

 映画は家族との絆の大切さを知ることがテーマ。美山さんは「ももがお母さんと改めて絆を確認するストーリーなので、ぜひ親子で見て、ももといく子の関係で絆の大切さを確認してほしい。絵もキャラクターも、どこを見ても楽しいので、すみずみまで魅力を感じてください」とアピールした。映画は21日から全国公開。米国や韓国、台湾、香港など世界各地での公開も決定している。

 <プロフィル>

 1996年12月12日生まれ、東京都出身。趣味はフラダンス。04年のテレビドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」(フジテレビ系)で、草なぎ剛さんの娘役を演じて注目を集め、その後も数々のテレビドラマ、バラエティー番組、CMなどに出演。おもな出演映画は「いま、会いにゆきます」(04年)、「ロック~わんこの島~」(11年)など。

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