俳優の堺雅人さんが主演を務める日曜劇場「VIVANT(ヴィヴァン)」(TBS系、日曜午後9時)で、堺さん演じる乃木憂助の父で、組織「テント」のリーダー、ノゴーン・ベキ(乃木卓=役所広司さん)の若かりし頃を演じている林遣都さん。過酷なモンゴルロケにも参加した林さんに思いを語ってもらった。
ウナギノボリ
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役所さんの若い頃を演じるという責任感がありますし、役所さん演じるノゴーン・ベキが過去にどんな体験をしたのか、その時にどんな感情を抱いたのか、とにかくそこにフォーカスをあてました。よりその感情に説得力を持たせないといけないと、自分の中で常にハードルを上げた状態で演じていました。
“テント”という組織を立ち上げた男の生きざまを表現するために、一つ一つのシーンに覚悟を持って挑みました。
以前、「ドラゴン桜」に出演させていただいて以来、僕は監督に魅了されていました。でも今回、衣装合わせで監督とお会いした時は、「頼むよ」の一言だけで(笑い)。お芝居をする上では、僕がやりたいことをすべてやらせてくれて、監督からは“とにかく役を生き抜いてくれ”というメッセージをいつも感じています。
福澤組はスタッフの皆さんも、福澤イズムを受け継いでいる方たちばかりで、常にその雰囲気が現場に流れています。日本で俳優をやらせていただいていて、「VIVANT」のような作品に参加できたことを本当にうれしく思っています。
1シーン1カットを時間をかけて丁寧に撮る現場で、めったにできない経験をさせていただきました。撮影する環境が日本に比べて過酷な場所が多かったのですが、やればやるほど、生き生きしていくスタッフさんたちの表情を見て、やはり福澤監督のチームは飛び抜けているという印象を持ちました。そして、この人たちでないと撮れない映像、この人たちでないと作れない作品だと感じました。僕の役は心情として、とても苦しい立場なのですが、モンゴルという環境が自分の気持ちをよりこの作品の世界に入っていきやすくさせてくれたと感じています。体もいい具合に疲弊していって、普段では簡単には作れない表現をすることができました。役の感情をどういうふうに演じようかなどと、気持ちを作っていかなくても、撮影が始まると自然に心が追いついてくるという感覚。登場人物たちが経験していることに近いことを体験させてくれる現場でした。
僕の周りもみんなが「VIVANT」のストーリー展開に驚いています。家族や友達にいろいろと聞かれるのですが、内容は言えなくて(笑い)。僕も実際に放送を見て、ワクワクして見ている立場。日本でこんなテレビドラマが見られるのだという、高揚感を楽しんでいます。「VIVANT」は見ないともったいないですよ。そこにつきると思います。
※「VIVANT」第9話は9月10日午後9時半から。
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