俳優の吉沢亮さん主演の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に徳川慶喜役で出演している草なぎ剛さん。劇中で描かれる晩年の慶喜の中には、“枯れていく哀愁”を見いだしたといい、「僕自身もやったことがなかった」役どころでもあるという。晩年の慶喜が描かれる作品は決して多くはなく、役者として“新境地”に挑んだとも言える草なぎさんに、終盤の見どころを聞いた。
ウナギノボリ
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終盤の慶喜の見どころは、ずばり「枯れていく哀愁」だという。「慶喜が将軍の座を退いてからの姿が描かれることも珍しいと思います。一線を退いてからは、男の哀愁というか、枯れていく感じが隠れています。そのような役は、僕自身もやったことがなかったです」と振り返る。
晩年の慶喜からは“哀愁”が漂いつつも、慶喜本人は栄一と共に過ごしてきた「輝かしい日々」を噛(か)みしめていたのではないかと説明する。
「慶喜と栄一は、同世代でありながら、違う環境で育ってきました。だけど、“運命共同体”ではないですが、『そばにいてほしい』『そばにいなくてはならない』と互いに思い合える関係になっていって……。自分の人生を全うする上で、お互いにいなくてはならない存在だったんだなと感じました。慶喜の家臣の中には、亡くなってしまう人もたくさんいましたが、栄一は生き残ってきました。同じ時代を一緒に歩いてきた感じがします。(晩年に慶喜と栄一が会話するシーンでは)既に2人の“空気感”ができあがっていて、うれしさも感じました」
最後に慶喜を演じてみて、草なぎさんが感じた“自身の変化”について聞くと、「本当にたくさんのスタッフの方、出演者の皆さんに影響を受けました。皆さんすごいエネルギーで、どんどん現場を進めていく。『青天を衝け』に関わっている全ての方から元気をもらえました。『僕もまだまだ頑張らなきゃいけないんだな』と思えるようになりました」と目を輝かせた。
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