井上尚弥選手:ジェイソン・マロニー選手とのタイトルマッチ、WOWOWで生中継 「倒すなら前半か中盤」

井上尚弥選手
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井上尚弥選手

 プロボクシングWBA、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥選手とWBO同級1位ジェイソン・マロニー選手が対戦する「WBA・IBF 世界バンタム級タイトルマッチ」が、WOWOWで生中継されることが、分かった。「生中継!エキサイトマッチスペシャル WBA・IBF 世界バンタム級タイトルマッチ 井上尚弥 vs ジェイソン・マロニー」と題して、11月1日午前10時半からWOWOWプライムで放送される。さらに、井上選手がマロニー選手との対決に向けて意気込みを語った。

ウナギノボリ

 ◇マロニー選手との一戦でKO誓う 「元気や活力を届けられたら」

 --4月に予定された試合が延期になり、対戦相手がジョンリエル・カシメロ選手からマロニー選手に変わりました。3団体の王座統一戦ではなくなりましたが、モチベーションに変化はありませんか。

 別にベルトに強い興味や執着があるわけではないし、変更も理由(コロナ禍)が理由なので仕方ないと思っています。マロニーも実力のある選手だし、まずは試合ができることに喜びを感じています。

 --昨年11月のノニト・ドネア選手との試合以来、約1年ぶりの試合になりますが。

 4月の試合が延期になってからずっと試合モードで来ているので、モチベーションが落ちるということはないです。いつ試合が決まってもいいように体は動かしてきたので。(体調面に関しては)常に7~8割をキープしていけば試合ができる体はできるので問題はありません。あとは精神的な部分をいかにキープできるか。たしかに1年ぶりの試合になりますが、(スーパー・フライ級王座を獲得した)オマール・ナルバエス戦のあとの(負傷による)1年のブランクとは気持ちの面で全然違います。ドネア戦でケガをしたので4月の試合だと不安はあったけれど、延期になったことでその不安はなくなりました。

 --「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ」優勝で評価が上がった実感は?

 優勝したことに対する評価は感じるけれど、(WBSS決勝の)ドネア戦が必ずしも求めていたような内容と結果ではなかったので、そういう意味ではファンの期待を裏切ったのかなと自分では思っています。でも、ああいう状況(右目上に裂傷、出血、眼窩底骨折・がんかていこっせつ)で12ラウンドを戦いきって勝てたので自信にもなりました。

 --今回の試合を通して何を見せてくれるのでしょうか。

 (見てくれる方たちに)元気や活力を届けられたらと思っています。前回は判定だったけれど、相手がドネアだったから満足してもらえたところがあると思うんです。でも、今度は判定までいったらまずいと思っているので、しっかりKOしたいなと思っています。

 --初めてのラスベガスで初めての無観客試合。初めてのことが多いですね。

 前回のドネア戦が2万人のお客が入って、今度は無観客。すべての条件が初めてですから、気を引き締めていきます。

 --不安な点もありますか。

 肉体的なものは気にしていないですが、精神的なことに関してはどうかなと思っています。ラスベガスに着いてから2週間の隔離があるので、そこだけです。

 --マロニー選手を相手に気をつけるべき点は。

 正直いって気をつけなくてはいけないという思いはありません。カシメロ選手には一発で倒すパンチがあるので怖さはありますが、マロニーにはそれは感じません。その分、やりにくいのではと思っています。パンチもなくはないし、技術も高く、タフで12ラウンド戦うスタミナもある。一番面倒くさいタイプですね。勝ちに徹すれば判定勝ちは難しくないけれど、内容を求めて倒すことを考えれば少し時間がかかるかも。ラスベガスでやるから“塩試合”はダメですからね。KOしなければ意味がないと考えるので、テーマとすれば“倒しきる”ということに尽きます。

 --警戒はしていますよね。

 警戒というか……。要は自分の問題なんです。自分が120%に仕上げれば問題ないので、それを目指して調整します。

 --プラス20%の部分は何でしょうか。

 100%は自分が仕上げる分で、あとの 20%は運です。ボクシングには運も必要なので。その運を掴めるように努力するということです。

 --KO決着を前提とすると、前半、中盤、後半、どの辺りをイメージしていますか。

 マロニー選手の戦闘スタイルを考えると、後半まで行ったら逃げ切られる可能性があるので、倒すなら前半か中盤でしょうね。

 --カギになりそうなパンチは?

 今探しているところです。マロニーはディフェンスもいいので、パンチを出すときの癖やパンチの戻し方なども含めて映像を見てチェックしています。そうしたことは普段はリングに上がってから考えるのですが、今回の場合はリングに上がってからでは遅いかなと思って……。だから前もって癖などをチェックしています。今回がこれまでで一番相手のことを研究しています。倒すための突破口を自分から掴みにいかなくちゃいけないので。

 --試合に向けた意気込みを。

 1年ぶりのリングなので、見てくれた人たちが「(自分も)頑張ろう」と思ってくれるとうれしいです。

 井上選手の軽井沢キャンプや独占インタビューなどを伝える番組「『井上尚弥』聖地ラスベガスへ!ボクシング怒涛のビッグマッチ SP!」が9月13日午前11時からWOWOWプライムで放送。さらに、10月18日午前11時からWOWOWライブで「生中継!エキサイトマッチスペシャル4団体統一世界ライト級タイトルマッチ ワシル・ロマチェンコ vs テオフィモ・ロペス」、11月29日正午からWOWOWプライムで「生中継!エキサイトマッチ SP『マイク・タイソン vs ロイ・ジョーンズ』」も放送される。

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