2014年に約15年にもおよぶ長期連載に幕を閉じた岸本斉史さんの人気マンガ「NARUTO-ナルト-」。主人公・うずまきナルトの息子・ボルトの活躍を描くマンガ「BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-」が「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載、同作のアニメもテレビ東京系で放送されており、「BORUTO」をきっかけに「NARUTO」のファンになる子供も多いという。「NARUTO」の連載終了から約3年がたったが、なぜ人気は衰えないのか? また、気になる岸本さんの新作は? 「BORUTO」の編集を担当し、アニメにも携わる「週刊少年ジャンプ」編集部の本田佑行さんに聞いた。
ウナギノボリ
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「NARUTO」は、「週刊少年ジャンプ」で1999~2014年に連載されたマンガで、木ノ葉隠れの里の問題児・ナルトが、里一番の忍者・火影になるため奮闘し、成長する姿が描かれた。「BORUTO」はナルトの息子・ボルトが主人公で、劇場版アニメ「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」が15年8月に公開され、マンガが16年5月から「週刊少年ジャンプ」で連載。テレビアニメが17年4月から放送されている。マンガ「BORUTO」は、岸本さんが原作、監修を手がけ、岸本さんのアシスタントだった池本幹雄さんが作画を担当している。
本田さんは「BORUTO」が作られることになった経緯を「『NARUTO』が大きな作品になり、年月がたつ中で、ファンの年齢も上がり、コアなファンが増えてきた。それが悪いことではないのですが、新しい層にも作品を届けたいと考えていた。世界観、キャラを使って作品の可能性を広げたかった。素晴らしい作品を、どうやって新鮮に読んでいただくかも考え、アメコミでリブートをイメージした」と説明する。
本田さんが考える「NARUTO」の魅力とは「キャラクターの強さが大きい。心情にうそがなく、リアリティーがある。そこが突出している」ところだという。「NARUTO」は約15年も連載されたこともあり、連載が始まった頃に高校生だった読者は既に30代になっている。新たな層にも世界観、キャラクターの魅力を伝えていくため、“リブート”するように「BORUTO」が作られることになったようだ。
「BORUTO」のアニメ、マンガは共に「NARUTO」のファンならニヤリとさせられるような要素がちりばめられつつ、「NARUTO」を知らない人でも楽しめる内容を目指したという。本田さんは「小中学生、高校生などの新しいファンが思った以上に増えています。『ドラゴンボール』もそうですが、2世代でも楽しんでいただいています」と話す。狙い通り、既存のファンに楽しんでもらいながら、新たなファンの獲得に成功したようだ。
マンガ版「BORUTO」の作画を担当する池本さんは「NARUTO」の初期からアシスタントとして参加してきたマンガ家だ。本田さんは、池本さんの起用理由について「池本先生はデビュー作『COSMOS』が伝説になっている方。『NARUTO』では岸本先生が、多重影分身のペン入れを唯一許されていたとも言われています。岸本先生のマンガは構成、カメラなどが独特。あのカメラを駆使できるのは、同じ魂を持ち、同じ流派の岸本スタジオの人間しかいない。池本さんが描くことになったのは、この人しかいない!というベストな選択」と説明する。
岸本さんはマンガ版「BORUTO」に原作、監修として参加していて、アニメ版にも「かなりコミットして見ていただいている」という。本田さんは「『NARUTO』を最終的に『NARUTO』にするのは岸本先生。最後にダルマに目を入れてもらうイメージです。マンガはかなり細かく決め込んでいますが、アニメはスタッフの方に自由なディスカッションをしていただいています。ただ、ディスカッションには岸本先生はいません。素晴らしいクリエーターの力をお借りしています」と明かす。
アニメ版「BORUTO」は、9日の放送から新章「うちはサラダ編」に突入する。新章は15年に「週刊少年ジャンプ」で短期集中連載された「NARUTO-ナルト-外伝 ~七代目火影と緋色の花つ月~」が原作で、うちはサスケの娘・サラダを中心としたストーリーが展開される。本田さんは「これまでの流れで、ボルトを好きになってもらったところで、次はサラダのことも好きになってほしいですね」と語る。
「NARUTO」は終わらない……。主人公が息子になり、さまざまなクリエーターがその遺伝子を引き継ぎ、新しい世代に伝えていく。一方で、気になるのが岸本さんの新作だ。本田さんは「新作は準備段階です……としか言えません。近い将来、お目にかかる機会があると思います。先生から企画の話を聞いていると、こんなに難しい話なのに、何でこんなに分かりやすくなるんだ!と感じています」と明かす。「BORUTO」の今後の展開に加え、岸本さんの新作にも注目だ。
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