NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、高畑充希さん演じるヒロイン小橋常子の初恋の人・星野武蔵を演じる俳優の坂口健太郎さん。植物オタクの帝大生でおくての武蔵が8日の放送分で常子に一世一代のプロポーズをしたのも話題だが、今期は「重版出来!」(TBS系)でも黒木華さん演じるヒロインの黒沢心を憎からず思っている気弱な営業マン小泉純を演じている。11日公開の映画「64-ロクヨン-後編」(瀬々敬久監督)にも出演、来年には主演映画も決まっている。坂口さんの発言から、話題の“塩顔男子”の魅力を探った。
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坂口さんは1991年生まれで、2010年モデルデビューし、ファッション誌「MEN’S NON-NO」(集英社)で、シャープで透明感のある流行の“塩顔男子”として人気を博した。1月期に放送された月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう(いつ恋)」(フジテレビ系)などで俳優としても注目されている。「とと姉ちゃん」の武蔵は、黒縁の丸メガネに学ラン、学生帽がトレードマークの帝大生で、新種探しに没頭し、食事も忘れてしまう“植物オタク”だったが、ヒロイン常子との出会いによって、人との触れ合いに目覚め、常子への思いが恋へと変わっていく。だが、なかなか気持ちを伝えることができない、というキャラクター。8日の放送分ではついに常子にプロポーズした。
「重版出来!」の小泉は、出版社「興都館」のコミック営業部で、ヒロインの心が配属されるマンガ誌「週刊バイブス」の担当。編集を希望し、3年間転属願を出し続け、仕事に覇気がなく、営業先の書店では「ユーレイ」のあだ名が付けられるような人物だったが、営業の研修に来た心の情熱あふれる行動に感化され、担当した作品をヒットさせることができ、仕事への情熱を感じるようになる。そして、心に好意を持ち始める……という役どころだ。
いずれも一見、線が細いが、実は芯が通っていて、女性への態度は不器用な“植物系”のキャラクターだ。「いつ恋」でも、自分の感情をうまく表現できず、別の男性に思いを寄せる女性への片思いを続ける役で、そのピュアな恋心に女性たちをキュンキュンさせていた。
そんな人気ぶりに「街を歩けないんじゃない?などと言われるけれど、僕は変わっていなくて、やることも変わっていない」と話す。「イメージの坂口君はいい人。イメージが大きくなって、それがリアルだと思われる。そんなにいい人じゃないよ……と思います。全然面白くない(人だ)とも思う」と明かす。また「お芝居では無理をしたいですが、坂口健太郎としている間は気張っていたくもないし、かといって悩みすぎるタイプではないから、無理に悩むのも自分らしくないので、普通にしていたい」と語り、あくまでも等身大でいようとしている。
あまり自身を押し出し過ぎず、“ニュートラル”でいる姿勢が、逆に坂口さんの魅力につながっているようだ。今後について「優しそうで柔らかくてふわっとしていてるイメージとか、言われること自体は嫌ではないですが、逆に『坂口健太郎のイメージじゃない』と思われる役をやってみたい」と語る。映画「高台家の人々」(土方政人監督)が4日に公開され、11日には映画「64-ロクヨン-後編」(瀬々敬久監督)と出演した映画が立て続けに公開。秋には映画「オケ老人!」、チェーホフ原作の名作舞台「かもめ」の出演も控えている。「あまちゃん」の福士蒼汰さんや「ごちそうさん」の東出昌大さん、「あさが来た」のディーン・フジオカさんら、朝ドラをきっかけに俳優たちがブレークしているが、坂口さんの大ブレークも間違いなさそうだ。
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