11日に開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に向けて、日本代表の岡田武史監督がTBSのロングインタビューに応じた。岡田監督は約1時間にわたって代表監督として、松下賢次・元TBSアナウンサーに本音を語った。松下さんは92年、古河電工のコーチ時代にドイツ留学していた岡田監督とバルセロナ五輪会場で出会って以来、年に1度は食事を共にする仲で、今回も「松下さんがインタビュアーなら」と民放では唯一、インタビューに応じた。この模様は、5日午後4時半からの1時間スペシャル「バース・デイSP」で放送される。
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この日の岡田監督は冗舌だった。97年、フランスW杯アジア予選で窮地に立たされた日本代表は加茂周監督を更迭、コーチだった岡田監督が急きょ代表監督に昇格した。その結果、日本代表は無事W杯出場を果たした。岡田監督はフランスW杯後、監督を退任。「もう代表監督をすることはないだろう」と思っていた07年、イビチャ・オシム監督が脳梗塞(こうそく)で倒れ、代表チームの指揮をとることが難しくなったことから、再び岡田監督に代表監督の打診があった。コーチ時代から岡田監督を知る松下さんは「どうして(2度目の)代表監督を引き受けたのか」と鋭く切り込む。その返事は意外なものだった。岡田監督は「本能的に闘争心がわいてきた。一瞬で引き受けようと思った」という。その真意とは……。
また、松下さんが「なぜ日本代表は、試合でいいところまで行くのに、後半のラスト20分でガタガタとくずれるのか」と痛いところを突くと、「じゃあ、どうすればいいんですか!」と岡田監督が感情的になる場面もあったという。インタビューに立ち会った菊野浩樹チーフプロデューサーは「松下さんだからこそ引き出せた本音や会見での発言の真意など、日本人の多くがまだ知らない人間・岡田監督の素顔やどういう考え方をする人なのかが分かるインタビューになった」と自信をのぞかせる。
南アフリカ大会を目前にして日本代表には明るい兆しが見えず。岡田監督の責任を追及する声も上がっている。アルゼンチンの代表監督が「サッカーの代表監督は、国中で首相の次に嫌われる存在」とこぼしたという逸話があるほど、代表監督とは過酷な仕事だ。そんな逆風の中で岡田監督は「目標はベスト4」と言い切る。その真意をインタビューでは明らかにしている。
そのほか、中村俊輔選手の起用について、フリーキックは誰がけるのか、日本代表のサッカースタイルとは?などW杯を目前にして興味を引く話題がつきない。番組では98年にフランスW杯を選手として岡田監督とともに戦った城彰二さんや秋田豊さん、岡野雅行選手らのインタビューを盛り込み、前回の岡田監督時代のなつかしい映像を交えながら、岡田監督の人間的な魅力に迫った。菊野プロデューサーは「W杯が直前に迫り、日本代表はもう岡田監督を信じて戦うしかない。視聴者の方もこのインタビューで岡田監督の考えを知り、一緒に日本代表を応援しましょう」と呼びかけている。
「少年隊」の東山紀之さんが司会を務めるスポーツドキュメンタリー番組の1時間スペシャル「バース・デイSP」は5日午後4時半からTBS系で放送。(毎日新聞デジタル)
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