佐藤浩市、渡辺謙は「同胞」 映画「Fukushima 50」で俳優としての関係性が役に生きる

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  俳優の佐藤浩市さんが1月26日、東京都内で行われた主演映画「Fukushima 50(フクシマフィフティ)」(若松節朗監督、3月6日公開)のワールドプレミアイベントに、共演の渡辺謙さんらと登場した。福島第1原発1・2号機当直長の伊崎を演じた佐藤さんは、福島第1原発所長の吉田役の渡辺さんについて、「出所出自は違ってもほぼ世代は一緒。何十年もこの世界で物作りをやっている。その思いですよね。同胞(はらから)と言っちゃうと安っぽいけど、どこかそういう関係性が役の中でも一緒だったと思う」と2人の関係が役作りに好影響与えたことを明かした。

  聞いていた渡辺さんも、「そういう関係が、ちょうど吉田と伊崎という、原発に対して抱いている気持ちみたいなものと、どこかフィックスするところがあった」とうなずき、「クランクインで浩ちゃん(佐藤さん)と握手をしたとき、(原発1・2号機のシーンに登場する)彼らが必死の思いで撮ったボールを渡されたような気がした。熱さをそのまま(自分たちの本部の方の撮影に)ぶつけていかなきゃいけないという思いだった」と撮影当時の心境を振り返った。

  この日は、今作が世界73の国と地域での上映が決定したことを発表。渡辺さんは「タイトルが英語表記なのは福島から東京、そして全国を回り世界に届けるため。この男たちが、もしかしたら世界を救ったのかもしれない。そういう思いでこの映画を届けることができれば」と語った。佐藤さんも「この負の遺産を明日への遺産に変えられるよう、皆さん願ってください」と呼びかけていた。

  映画は、東京電力福島第1原発事故を追った、ジャーナリストの門田隆将さんによるノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫)が原作。死を覚悟して現場に残り続けた約50人の作業員“Fukushima 50”が、未曽有(みぞう)の大事故と闘い続けた姿を描く。イベントには吉岡秀隆さん、緒形直人さん、平田満さん、萩原聖人さん、佐野史郎さん、安田成美さん、若松監督も出席した。

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