コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをクローズアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
今回は、2023年12月30、31日に東京ビッグサイトで開催された「コミックマーケット103」で撮影、インタビューした「NieR Re[in]carnation(ニーア リィンカーネーション)」のヨルハ二号B型(2B)に扮(ふん)するコスプレーヤーのMelさんを紹介する。
コロナ禍の2020年に、自宅で手軽に始められる趣味としてコスプレに取り組むようになったMelさん。友人から「NieR:Automata(ニーア オートマタ)」の“併せ”に誘われたことがきっかけで同シリーズにハマったという。太ももが魅力のキャラクターで、今回のコスプレでは特にメークにこだわったという。
「口元のメークにこだわることで、2Bらしい顔立ちを表現してみました。今回は口角に影を入れていますが、3次元で下向きに入れると、ちょっと意地悪な雰囲気に見えてしまうんです。なので濃いペンシルなどで、いったん口角の延長線上に下向きに影を描いた後、そこから少し上向きになるように影を伸ばすことで、ただの無表情ではない、2Bらしい口元を再現しました」
唇の厚さに変化をつけることも意識したという。
「私は唇がけっこう厚めなので、コンシーラーを使うことで薄くして。なかなかいい感じに2Bの薄い唇も再現できたんじゃないかな……と思うんですけど、いかがでしょう?」
口元のメークに加えてもう一点、アイメークにもMelさんならではのこだわりが光る。
「アイメークの仕上がりがよくないと、iPhoneの顔認証ができなくなることもあるので、毎回気をつけています(笑い)。今回のコスプレでは、カラコンは“エティアクール ワンデー プラチナブルー”を使用。それと、目が細いキャラ以外、コスプレをする際は必ずつけまつげを付けることを信条としているので、カールしていない毛を下向きに貼って、流し目がきれいになるように仕上げました」
取材・文:ソムタム田井