「月刊デザート」(講談社)で連載中の森下suuさんの恋愛マンガが原作のテレビアニメ「ゆびさきと恋々」が、TOKYO MX、MBS、BS日テレで放送される。聴覚障がいのある女子大生・糸瀬雪と世界を旅する大学の先輩・波岐逸臣のラブストーリーで、繊細な表現が魅力になっている。村野佑太監督に同作の制作の裏側を聞いた。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
とても現代的な物語だという印象でした。身体的に特徴がある人に対してそれを枷(かせ)と捉えるかどうかは、本来他人が決めることではなくて当事者自身が決めることですよね。主人公の雪は、それを決定的な枷とは一切認識していない……。そこがこの作品の持つパワーであり現代で作品に乗せて発信すべきメッセージだなと感じました。制作現場での打ち合わせでもそこは徹底的に伝えています、「耳が聴こえないことを必要以上に悲しませないでください」って。耳が聴こえない現実やつらさを克明に描いた名作は多くありますが、この作品で目指しているのはそこではありません。
この作品を映像化するにあたって気を付けなければいけないポイントを考えた時に、絵コンテの段階で配慮しなければならない点が多過ぎたんですよね。心情の繊細な変化をどう拾うのか、原作特有の無音表現をどう映像に変換するのか、手話をする人物に対する芝居の段取り、どの手話を映してどの手話を映さないかという作画コストの計算などです。それらをフリーランスの絵コンテマンさんが他作品と並行で作業するのは難しいだろうなと……。自分でやるのが一番滞りなく進められるだろうなと考えました。
マンガの時にはせりふやモノローグなどの「文字」で表現していたものを、なるべく「映像」で演出するようにしています。「きれいな空……」と言って人物が空を見上げるのではなく、黙って空を見上げて、きれいな空を見つめる瞳が静かに揺れたり……みたいな。マンガとアニメという性質の違い上、マンガの文面をそっくりそのまま映像に移すと説明過多になってしまうので、そこの取捨選択は厳しく見ていますね。光や影、雲、降雪、風、そのほか諸々が、この作品では心情を表現する上での重要なギミックです。そういったものを自然に画面に落とし込んで登場人物の繊細な心情を表現することが、この作品でやりたいなと考えていたことでした。
手話はポーズではなく言語だということを手話監修の米内山(陽子)さんから幾度となく伝えられました。形だけ整えても感情は伝わらないと。指先にわずかに入る力みや震え、感情に沿うことであえて形を崩すなど、教科書的な手話にならないよう気を配っています。実際に耳の聴こえない方がこの作品の映像を見て、「絵なのにちゃんと手から感情が伝わる!」と伝えてくださった時はうれしかったですね。テレビ作品というスケジュール的な縛りの強い中、可能な限り時間をかけてこだわっています。
この作品はポジティブな面であふれているので、反響があるということはそれだけ多くの人にプラスの影響を与えられていることなのかな……と考えるとうれしくなります。普段考えないことまでいろいろ考えたんですよ、それこそ放送される曜日や時間帯の指定とか、視聴者の方にどう手渡すのがこの作品の魅力をしっかり伝えることになるのかなって。制作現場は佳境ですが、最後までしっかり真摯(しんし)に向き合って制作していますので、ぜひ最後まで見届けてもらえるとうれしいです!
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