1月7日にスタートした2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)。平安中期の貴族社会が舞台で、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を書き上げた紫式部(劇中の名はまひろ)の一生を映し出す。女性を主人公に据えた大河ドラマは、2017年の「おんな城主 直虎」以来、7年ぶり15作目となるが、記念すべき1作目は? ここでは初の女性主人公大河となる1967年の「三姉妹」について解説する。
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「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
「三姉妹」は、大河ドラマの第5作として、1967年1月1日から12月30日にかけて、モノクロで放送された。「明治維新から100年」を記念して企画されたドラマで、幕末から明治維新までの動乱の時代を舞台に、幕臣旗本の美しい三姉妹(むら、るい、雪)と、純粋で反骨精神の旺盛な浪人・青江金五郎を軸に描かれた。
原作を手掛けたのは大佛次郎さん。大河ドラマでは初めての「書き下ろし作品」となったが、ドラマ全編とはいかず、途中からは大佛さんの「逢魔の辻」「その人」「薔薇の騎士」などをもとに、鈴木尚之さんが脚本を執筆したという。
また本作は、初の女性主人公大河であると共に、初めて架空の人物を主人公にした大河ドラマで、歴史上の人物と、虚構の人物を取り混ぜ、時代に翻弄される人間模様が展開。全52話の期間平均視聴率(関東地区)は19.1%で、初回・最高ともに27.0%を記録しているが、この数字は当時としては振るわなかったとされる。
キャスト陣に目を向けると、岡田茉莉子さん、藤村志保さん、栗原小巻さん、山崎努さん、中村玉緒さん、観世栄夫さん、米倉斉加年さん、瑳峨三智子さんといった名前が並ぶ。三姉妹のうち、気丈で行動的な長女・むらを岡田さん、物腰が静かだが芯の強さを秘めた次女・るいを藤村さん、のびのびと育った明るい三女・雪を栗原さんが演じ、三者三様の個性で人気を集めた。
その三姉妹は、それぞれ舞、琴、鼓をたしなみ、「NHK大河ドラマ大全」(NHK出版)によると舞のシーンや演奏の場面は本作の見どころの一つとして放送当時、評判に。中でも、時代劇初出演となった栗原さんは、雪役に抜てきされたことで脚光を浴び、「コマキスト」と呼ばれる熱烈なファンを生んだ。
ドラマは後半になると、本作が連続ドラマ初出演となった山崎さん演じる青江が、討幕派の志士と関わりを持つようになり、歴史上のさまざまな出来事に直面。今や幕末大河には欠かせない、西郷隆盛や勝海舟、桂小五郎、坂本龍馬ら“ビッグネーム”も登場し、ドラマを盛り立てていて、歴史ファンも必見だ。
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