三浦貴大:俳優業は「ずっと面白い」 趣里とは「芝居の相性がいい」 「東京貧困女子。」

連続ドラマ「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」に出演した三浦貴大さん
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連続ドラマ「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」に出演した三浦貴大さん

 11月にWOWOWで放送・配信される俳優の趣里さんが主演を務める連続ドラマ「連続ドラマW-30 東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」に出演する三浦貴大さん。趣里さん演じる経済誌の契約編集者・雁矢摩子とバディーを組む風俗ライター・崎田祐二役の三浦さんに、作品の魅力や、40歳に向けての展望を聞いた。

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 ◇社会問題を描く作風「賛否あるから作る意味ある」

 ドラマは、ノンフィクションライターの中村淳彦さんによる東洋経済オンラインの連載「貧困に喘(あえ)ぐ女性の現実」を書籍化した「東京貧困女子。彼女たちはなぜ 躓(つまず)いたのか」(東洋経済新報社)が原作。離婚を機に経済誌の契約編集者になった摩子(趣里さん)が、“女性の貧困”をテーマにした連載を担当するように命じられ、風俗ライターの祐二(三浦さん)と衝突しながらも向き合っていく姿を描く。

 祐二の印象を、三浦さんは「芯があって仕事も大事にしていて。ちょっとぶっきらぼうというか冷たく見えたりもしますが、別に冷たいわけではなく、根本には問題を伝えることで当事者の状況が良くなっていけばと考えている人だなと感じました」と話す。

 共通点を聞くと、「目的意識を持って仕事をしているのには共感を覚えます。仕事はそうあるといいと思うし、そういう仕事の仕方はカッコよく感じる部分もある」と応じ、祐二が口にする「貧困は社会の問題。個人の問題にすり替えて責任を問うのはおかしい」などの考え方には、「共感できる部分はあります」とうなずく。

 共演経験も多い趣里さんを、「芝居やキャラクターについてものすごく考える人で、思いを持って芝居をされている方。素晴らしかった」と絶賛。「人と人とのつながりのように、芝居にも相性があると考えていて。趣里さんとは芝居の相性がいいと思う。趣里さんは目の前で芝居していても心底『いい芝居をする』と思える人なので楽しかった」と手応えを語る。

 社会問題に切り込んだ作品だが、「賛否あることはいいことだし、見た人が考えてくれたということ。現実の問題に対する意見も出てきて、そこにも賛否が出る。どちらの意見にも意味があると思うから作品を作る意味や意義がある」と受け止め、「今作が、実は身近にあった問題に気づくきっかけなり、どういう意見であれ考えるきっかけになってもらえれば」と呼びかける。

 ◇俳優業の原動力は「変わっていく楽しい部分と危機感」

 今年で38歳となった三浦さん。「自分なりに楽しくやってきたかな。大変だったことも多いけど恵まれていたと思います。役者を続けられているし、とてもありがたい」と30代を振り返り、「小さい頃や学生のときに見ていた40歳は落ち着きがあって大人。元気でエネルギッシュなイメージだったけど、自分はしっかりもしていないし、想像と違った。40歳は不惑と言われますけど、うそでしょう(笑い)」と40歳のイメージをユーモアたっぷりに話す。

 30代のうちにやっておきたいことを聞いてみると「視力を良くしたい。昔に比べたら動けなくなってもきた。目も見えづらいし体も動かしづらいとダメだなと危機感を覚えました。そんな答えを期待していたのではないと思いますけど(苦笑い)」と意外な答えが返ってきた。

 仕事に関しては「年齢とともに役柄に変化が出てきているので対応していきたい」と前置きし、「今以上に芝居だけではなく、いろんなことに興味を持っていろんな知識を得ていかないと芝居が追いついてこない。いろんなところにアンテナを張っていかなければ」と気を引き締めていた。

 俳優業を「ずっと面白い」と表現した三浦さん。「お客さんが良かったと言ってくれてうれしいとか、監督に褒められてうれしいとか、年齢によって楽しさがどんどん変わっていく。楽しい部分がたくさんあることが原動力。あと危機感。いつ仕事がなくなるかわからないという危機感は常にあり、それがいいあんばいに原動力にもなっています」と語った。

 「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」は、11月17日から毎週金曜午後11時にWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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