ブギウギ:「圧倒的にエネルギッシュなドラマを作りたい」 チーフ演出が語るドラマの「大きな三つの柱」

連続テレビ小説「ブギウギ」第1回の一場面(C)NHK
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連続テレビ小説「ブギウギ」第1回の一場面(C)NHK

 俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)が10月2日にスタートした。109作目の朝ドラとなる今作でチーフ演出を務める福井充広さんが、制作する上で掲げているドラマの「大きな三つの柱」について語った。

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 「ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲を歌った戦後の大スター、笠置シヅ子さん(1914-1985年)が主人公・鈴子のモデルとなる。笠置さんの人生を、激動の時代の中で、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けた歌手の波瀾(はらん)万丈の物語として大胆に再構成。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。

 脚本は、2014年公開の映画「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞などを受賞した足立紳さんがメインで担当し、ドラマ「マルモのおきて」(フジテレビ系)の櫻井剛さんも参加する。音楽は、笠置シヅ子の代表曲「東京ブギウギ」の作曲者・服部良一の孫である服部隆之さんが手がける。

 福井さんは「全体的にエネルギーにあふれるドラマにしたい。今までの朝ドラとは比較にならないくらい、圧倒的にエネルギッシュなドラマを作りたい」と気合十分な様子で、制作する上で目標とする「大きな三つの柱」があることを明かした。

 一つ目は「『エンターテインメントの力』というものを改めて提示したい」、二つ目は「雑草魂」、三つ目の柱として「母と娘」を挙げた。

 福井さんは、一つ目の柱「エンターテインメントの力」について、「笠置さんの人生はとにかく波瀾万丈で、自伝が残っておりますけども、それを読んだだけでドラマ以上にドラマらしい、浮き沈みが非常に激しい人生を送っていらっしゃる」と説明。

 二つ目の柱「雑草魂」については、「(笠置さんは)いろんな不幸も経験していくことになるんですけども、それを歌の力というものを借りつつ、はねのけていく。踏まれても踏まれても生き抜いていく雑草のような、きれいなレストランに飾られている、きれいなお花ではなくて、道ばたに咲いている雑草。それが踏まれても踏まれても太陽に向かって伸びていくような、そういうイメージをスタッフ間で共有して撮影に臨んでおります」と語った。

 そして、三つ目の「母と娘」については、「母・ツヤ(水川あさみさん)、父・梅吉(柳葉敏郎さん)から大きな愛情を受けて育った鈴子。やがて鈴子も娘をもうけて母になった時に、自分の子供とどう向き合っていくのか。そこを描きたい」と話した。

 最後に「この三つを大きな軸として、26週かけて笠置さんのエネルギッシュな人生を描いていきたい」と作品の方向性をはっきりと示した。

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