2019年7月期のドラマ「凪のお暇(なぎのおいとま)」、2020年1月期の日曜劇場「テセウスの船」(共にTBS系)などに出演してきた子役の白鳥玉季さんが話題だ。8月6日に放送されたNHK大河ドラマ「どうする家康」の第30回「新たなる覇者」では、お市(北川景子さん)の長女・茶々役で登場。「伯父・信長(岡田准一さん)のカリスマ性を色濃く受け継ぐ少女」として、存在感を放った。SNSでは、秀吉(ムロツヨシさん)を一瞬にして手玉に取った茶々はもちろん、役を演じた“同じ13歳”の白鳥さんに対しても「末恐ろしい」との声が上がっているが、俳優としての彼女の魅力は……。
ウナギノボリ
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白鳥さんは2010年1月20日生まれの13歳。2016年に放送されたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「とと姉ちゃん」で、星野武蔵(坂口健太郎さん)の娘・青葉役でドラマデビュー。「凪のお暇」では、主人公・凪(黒木華さん)と同じアパートの隣に住むカギっ子・白石うららに扮(ふん)し、一躍注目を浴びた。
「テセウスの船」では、主人公・心(竹内涼真さん)の姉で、佐野家の長女・鈴の子供時代を演じ、竹内さん、鈴木亮平さん、榮倉奈々さんらと丁々発止の掛け合いを披露。当時「大人顔負けの演技力」「これからの活躍が楽しみ」といった声が多数聞かれた。
以降も、朝ドラ「エール」(2020年度前期)、大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(2020年)、「岸辺露伴は動かない」第6話(2021年)などに出演。また、2016年公開の「永い言い訳」を皮切りに、映画にも多数起用されてきた白鳥さんは、確かな演技力を持った「名子役」であることは改めて言うまでもないだろう。
「どうする家康」で演じた茶々は、お市と浅井長政(大貫勇輔さん)との間に生まれた三姉妹の長女。後に秀吉の側室となり、秀頼を産むことになるが、第30回では、“未来の夫”を前にした態度が大きな話題に。
同回では、茶々ら三姉妹の母・お市が、信長の死後、織田家の実権を握った秀吉への抵抗むなしく、“敗戦の将”として柴田勝家(吉原光夫さん)と共に自害する……という展開で、茶々は2人の妹と共に秀吉の元へと移る様子が描かれた。
“織田家の血”を欲する秀吉は、対面した茶々の顔をなでるが、茶々は、秀吉の手を払いのけるどころか、そっと握りしめ、親愛の笑みを向ける。茶々の予想外の行動に思わず視線をそらす秀吉。茶々は、それを合図とばかりに、プイッとそっぽを向き、その場から立ち去ってしまう。
シーンとしては1分にも満たず、せりふもなかったが、白鳥さんが見せた一連の演技に画面にクギ付けになった視聴者も多かったことだろう。これは勝手な想像だが、役を通してムロさん自身をも翻弄(ほんろう)したかのように思え、SNSにも「白鳥玉季さん、あれで13歳? いやいや、末恐ろしい。大女優になるだろ、この子は」「にっこりとほほ笑んで、サイコパスムロ秀吉でさえもたじろがせた茶々様は恐ろしいが、茶々様と同じ13歳で演じた白鳥玉季さんはもっと末恐ろしい」などのコメントが寄せられた。
「テセウスの船」から3年、13歳となった白鳥さんが「どうする家康」で見せた吸引力。さらなる成長への期待を大いに抱かせる見事な茶々役だったと思う。
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