ザ・ラグビーチャンピオンシップ:最終節開催、WOWOWで生中継 エディー・ジョーンズ豪州HCが意気込み語る

エディー・ジョーンズさん=Getty Images
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エディー・ジョーンズさん=Getty Images

 南アフリカ、ニュージーランドなど南半球のラグビー強豪国4カ国による対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」の最終節が7月29日に開催され、WOWOWで生中継・ライブ配信される。第2節を終えた時点で唯一無傷の2連勝のニュージーランドは、勝てば全勝優勝で3連覇達成という大一番となる。

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 29日のオーストラリア対ニュージーランド戦は、「ブレディスローカップ」の第1戦を兼ねている。現在、ニュージーランドが21年連続で保持するブレディスローカップの奪還に闘志を燃やしているのが、世界的名将で今年オーストラリアのヘッドコーチ(HC)に就任したエディー・ジョーンズさん。エディーさんはオーストラリアが最後にカップを保持していた2002年当時の指揮官でもある。

 カップ奪還のためにはオーストラリアが2連勝する必要があるが、世界ランキング3位(7月24日時点)のニュージーランドに対し同8位のオーストラリアはいかにして戦い、勝機を見出すのか。元日本代表の大西将太郎さんがエディーさんにインタビューした。

 --次はオールブラックス(ニュージーランド)とのブレディスローカップになります。今のエディーさんの思いを聞かせてください。

 エディーさん:まずはプレトリア(ザ・ラグビーチャンピオンシップ第1節、南アフリカとの対戦地)で勝利を挙げることが目標でしたが、残念ながらそれはかないませんでした。(カップ奪還が目標の)ブレディスローカップはもう21年も勝っていません。ですから、ニュージーランドとのメルボルンでの対戦は大きなチャンスです。あのスタジアムは世界で唯一、オーストラリアがニュージーランドに対してアドバンテージがあるグラウンドです。

 --今のニュージーランドの状態をどう見ていますか?

 エディーさん:とても興味深いです。ニュージーランドはW杯の前に、その次のW杯のコーチ(スコット・ロバートソン次期HCら)を知るというプロセスをたどりました。それはチームの結束にいい影響をもたらすでしょう。選手たちは確実にイアン・フォスター(現ニュージーランドHC)が好きなので、彼のためにプレーするでしょう。

 W杯イヤーのニュージーランドはいつもスロースターターです。でも今年は鳴り物入りでスタートしました。それはイアン・フォスターに対する選手たちの気持ちも一部働いていると思います。だから彼らは本当にいいラグビーをしていますね。とてもフィジカルなラグビーです。彼らのアタックはこれまでよりもはるかにストレートですし、南アフリカ戦(第2節)での最初の20分のキッキングゲームはこの世のものとは思えないほどでした。どのキックも空中でボールを取り戻していたと思います。すごいことです。

 --今、注目しているニュージーランドの選手を教えてください。

 エディーさん:まずはアタックに絡むSO(スタンドオフ)リッチー・モウンガですね。力強いキッキングゲームに持ち込み、さらにキックリターンがとても得意です。そして巧みなフットワークと足の速さで相手を倒す能力があります。彼こそプレッシャーをかけるべき相手です。

 そしてFW(フォワード)にはLO(ロック)ブロディー・レタリックがいます。彼はワールドクラスの素晴らしいLOで、ラインアウトでの働きがいいだけでなく、ラックでの仕事も世界の誰にも負けません。彼ら2人こそ、我々が注意するべき選手たちです。

 --オーストラリアもブレディスローカップに向けてしっかりと準備して臨みますか?

 エディーさん:キックオフが待ち遠しいです。彼らには試合の序盤でショックを与えないといけません。私がイングランドを指揮していた時に、ニュージーランドに対していい結果を出しました(19年W杯準決勝での勝利など)。オーストラリアもフィジカルを前面に押し出してプレーすること、目的意識を持ってプレーすることが大事です。そしてニュージーランドを追い詰めた時、ニュージーランドが我々からのプレッシャーの熱波をハンドリングできるかどうか、でしょうね。

 --ブレディスローカップを奪還すれば、エディーさんが以前にHCだった2002年以来となりますね。

 エディーさん:あれから21年経ちました。そして偶然にもブレディスローカップの2試合目は(2001年に勝利を収めたニュージーランドの)ダニーデンです。だから今回、メルボルン・クリケット・グラウンドとダニーデンで試合をすることはチームにいい形で作用します。彼らの方が優勢ではありますが、どんなに優勢でも必ず弱点があるので、確実に彼らの弱点を見つけるつもりです。

 --サマー・ネーションズシリーズの最終週にはフランスとの対戦があります(日本時間8月28日)。今のフランスをどう見ていますか?

 エディーさん:フランスはニュージーランドと似たようなプレーをしますね。キッキングチームからカウンターアタックによく持ち込みます。キックからパワフルにプレーしますので、ニュージーランドと同様に、彼らに対してどうやってプレッシャーをかければいいか、見極めないといけません。セットピースとブレイクダウン周りの対策をする必要があるでしょうね。これらの試合は、W杯に向けて素晴らしい準備になるでしょう。ニュージーランドとの2試合、そしてフランスとのテストマッチは、W杯の準備としてこれ以上ないものです。

 WOWOWでは、7月29日午後6時半から「オーストラリアVSニュージーランド」、午後11時50分から「南アフリカVSアルゼンチン」をWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで生中継・ライブ配信する。

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