白聖女と黒牧師:石川界人もびっくり アニメ初出演で主演の澤田姫がすごい! 尊く優しい世界を表現

「白聖女と黒牧師」に出演する石川界人さん(左)と澤田姫さん
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「白聖女と黒牧師」に出演する石川界人さん(左)と澤田姫さん

 和武はざのさんのマンガが原作のテレビアニメ「白聖女と黒牧師」が7月12日からTOKYO MXほかで放送される。可愛いが、だらけグセのある聖女様のセシリア、過保護で料理上手で鈍感な牧師様のローレンスによる“無自覚いちゃラブコメ”。澤田姫さんがセシリア、石川界人さんがローレンスをそれぞれ演じる。澤田さんはアニメに初出演で主演に抜てきされた新人だ。石川さんは、澤田さんと共演する中で、新人離れした演技に驚かされたという。澤田さん、石川さんに収録の裏側を聞いた。

ウナギノボリ

 ◇石川界人のアドバイスで落ち着く

 --澤田さんは初主演ということですが……。

 石川さん 初アニメなんですよね? いきなり主演ですよ!

 澤田さん 最初はウソ!? どっきり!?となりましたし、いまだに信じられないです。

 石川さん 収録もしたよ!

 澤田さん はい、大がかりなどっきりかな?と思いました。落ち着いて考えると、不安とかが押しよせてきます。テープオーディションに通って、スタジオオーディションも初めてでした。

 --石川さんが初主演の時はいかがでしたか?

 石川さん 僕は、いきなり主演ではなくて、別作品で経験がありましたし、全く環境が違いますね。すごいことですよ。僕も初めての時はドキドキしました。見ていたアニメの声の人たちがいっぱいいる!となりました(笑い)。ルールやマナーも最初は分からなかったですし。

 澤田さん 私もルールやマナーが分からなくて……。しかも、今回はプレスコ(先に声を収録してから映像を作る手法)だったんです。プレスコとは?というところから始まって、マイクが4本並んでいるところで収録するのも初めてですし、スタジオで座る位置も分かりませんでした。石川さんの隣かな?とは思ったのですが。

 石川さん 主演の方には、ど真ん中に座ってもらいたいのですが、端に座ったので、違うよ!と言ったり。

 澤田さん 先輩が先に座っていたから、端なのかな?と思いまして。皆さんにすごく優しくいろいろ教えていただきました。

 石川さん 僕は教えることはあまりなくて、いじってました(笑い)。「姫様」と呼んでいます。「姫さん」「姫ちゃん」も違うし、「姫様」だとちょうど収まりがいいんですよね。

 澤田さん 先輩に「様」で呼ばれて……。すみません。たくさん助けていただき、リテークの時、こそっと一言アドバイスをいただきました。焦っていたけど、毎回落ち着いて収録ができたと思います!

 --石川さんは新人の頃を思い出すのでは?

 石川さん そうですね。リテークの時、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまって、どうしたらいいのか分からなくなることがあるんです。「ここを区切ってみると、ゆったりして聞こえるよ」などテクニカルなことを少し言ったことがありました。僕も杉田(智和)さんに当時教えていただき、すごく助かったんです。

 澤田さん うれしいです!

 ◇澤田姫の対応力がすごい!

 --作品の印象は?

 石川さん 心が洗われますね。姫様は?

 澤田さん 心が温かくなって、癒やされる作品です。キャラクターたちの温かさ、キャストの皆さんの温かさがすごく伝わってきます。

 石川さん タイトルだけ読むと、ダークな作品なのかな?とも思ったんです。純粋な聖女様と、裏稼業を背負う牧師が出会い、闇の世界に引き込まれていく……みたいな。全然違いますね(笑い)。重い覚悟を持って原作を読み始めましたが、その覚悟を柔らかく取り除いて、癒やされる作品です。疲れていても、これを読んだり、アニメを見たりすると気持ちよく眠れるような作品です。

 --自身が演じるキャラクターの印象は?

 澤田さん 基本的にふわふわしていて、ちょっと抜けていて天然なところが、可愛らしいのですが、街の人のことになると、譲れない気持ちがあり、自分の意志を貫きます。自分のことを置いておいて行動できるところがすごく格好いいんです。可愛くて格好いいキャラクターですね。憧れです。

 石川さん 優しくて誠実で、セシリアに対しては過保護気味なところもあり、父性を感じますし、年上のお兄ちゃんみたいなところもあります。彼の“無意識の意識”がすごく気になりますね。なんでこんなに過保護なのだろうか? アベルとセシリアで対応が違うのはなぜか?と彼の無意識に目を向けると、過去を知りたくなります。そういうことを考えることが面白くて、好奇心を刺激されます。

 --二人のやり取りがほほえましく、魅力的です。

 石川さん 姫様は、初めてのアニメの収録とは思えないんですよね。音響監督にも「本当に初めてなんですか?」と聞いたくらいです。コロナ禍で分散収録が増える中で、掛け合いが難しくなっているのですが、姫様は初めての収録にも関わらず、相手のせりふも聞いてくれるんです。すごいことです。収録が進む中で、悩んで、解決して……というのもすごく見えましたし、僕は掛け合いをしていて楽しかったです。

 --新人が相手のせりふをしっかり聞きながら演技するのは難しい?

 石川さん 僕もそうでしたが、収録前に練習をしすぎて、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまうんです。練習する時は相手がいないので、相手を想定します。自分がやりたいことがいっぱいあるんだけど、実際のアフレコ現場は想定と違うんですよね。そこに対応するのが難しいんです。

 澤田さん 最初は練習で演技を固めてしまっていましたが、石川さんにアドバイスをいただき、少しずつ会話ができるようになりました。石川さんが演じるローレンスは想像以上に優しかったんです。その優しさが伝わってきて、引き出していただいたところもすごくありました。私の演技を受けとめていただけるので、思いっきりできました。

 石川さん その「思いっきり」も最初は難しいんです。思いっきりじゃなくて、失敗しないようにちゃんとやろうとしてしまうんですよね。僕は最初の頃、全然思いっきりできなくて苦労しました。

 澤田さん まだまだなんですけど……。

 --澤田さんの今後、どんな声優になりたい?

 澤田さん 今回、皆さんがすごく優しくて、温かい現場でした。私も石川さんのようになりたいです。石川さんはトークもすごくて、イベントでも助けていただきました。

 石川さん いやいや、そんなことないんですけど。

 --最後に放送を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いできますか

 石川さん 疲れた時に見ていただけると、疲れがほどけていくような美しい作品なので、見守っていただけるとうれしいです。この作品で二人を見守る背景になりたくなるんですよね。皆さんも一緒に見守っていただければ。

 澤田さん いつの間にか自分が街の人の一部になっているような感覚があって、作品の世界に引き込まれます。優しく温かい気持ちになれる作品です。魅力的なキャラクターばかりですし、ぜひ楽しみにしていただけるとうれしいです。

 原作は、2017年に「月刊少年マガジンR」(講談社)で連載をスタートし、現在はウェブサイト「月マガ基地」(同)で連載中。アニメは野呂純恵さんが監督を務め、動画工房が制作する。石谷春貴さん、中村カンナさん、戸松遥さん、中原麻衣さん、小市眞琴さん、前野智昭さん、上田麗奈さんも出演する。

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