竹内順子:「BORUTO」息子ボルトが「可愛い」 第218話「相棒」の収録秘話 「NARUTO THE LIVE」への思いも

「NARUTO-ナルト-」「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」でうずまきナルトを演じる竹内順子さん(C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
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「NARUTO-ナルト-」「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」でうずまきナルトを演じる竹内順子さん(C)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ

 今年20周年を迎える岸本斉史さんの人気マンガが原作のアニメ「NARUTO-ナルト-」。20周年を記念した音楽イベント「アニメ『NARUTO-ナルト-』20周年記念 NARUTO THE LIVE」が9月2、3日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される。「NARUTO」の主人公・うずまきナルトの声優を務める竹内順子さんが、イベントの見どころや、ナルトの息子・ボルトが活躍するアニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」について語った。

ウナギノボリ

 ◇少年ナルトは「はっちゃけられる」 九喇嘛が消えるエピソード「苦しかった」

 --竹内さんはこの20周年をどのような心境で過ごしましたか?

 久しぶりに少年のナルトを身近に感じられて、うれしかったです。「BORUTO」でのナルトはお父さんだから、少し違う感覚なんですよね。

 --「BORUTO」は2017年4月に放送を開始し、今年3月に第1部の最終回を迎えました。どのようなことを考えて大人になったナルトを演じましたか?

 最初は「あれ? どうしよう?」と戸惑いました。何しろ私は実際に父親になった経験がないので(笑い)。だからナルトとボルトを父親と息子ではなく、一人の人間同士が会話をしていると捉えて演じ始めました。そしてそれがなじんできた頃にはボルトが可愛く思えてきたんです。でも、その“ボルト可愛い”が、私の思いなのかナルトの思いなのかよく分からないんですよ。私がボルト役の三瓶(由布子)ちゃんのことを好きなのもあるし(笑い)。だから変な私情が入って気持ち悪くならないように気を付けました。ただヒマワリに関しては「もういいだろ!」と諦めて思い切りデレデレしちゃいましたけどね。

 --「BORUTO」第127~136話のタイムスリップ編では少年のナルトも演じました。

 すごく幸せでした。アフレコ現場でシカマル役の森久保(祥太郎)君に「順ちゃん、楽しそうだね」と言われたし(笑い)。少年のナルトは難しいことを言わず、感情をそのまま言うから、やっていて楽しいんですよ。「疾風伝」でも多少は変化があっても基本的には変わらず、難しいことはほかの人がしゃべってくれていました。それが「BORUTO」になってからはナルトが難しいことを言うようになっちゃった。だからタイムスリップ編ではもう肩の荷が下りたような感覚もありつつ、(大塚)芳忠さん演じる自来也と私と三瓶ちゃんの子供2人で和気あいあいとしていました。

 --ほかに「BORUTO」で印象的だったエピソードは?

 まあ……苦しかったのは九尾の九喇嘛が消えるお話ですね。

 --第218話「相棒」ですね。

 正直なところ、もうしゃべりたくなかったです。「やだよ、しゃべっちゃったら本当にいなくなっちゃうよ」と思って。九喇嘛……当初は九尾と呼ばれていましたけど、元々九尾はナルトにとって不吉なものだったし、玄田(哲章)さんも怖い声で芝居していました。でもいつの間にか九喇嘛として仲良くし始め、大人になったら普通に会話もしてくれて……20年間にそういう流れがあったから、彼がいなくなることに私自身も「えっ!」となりました。

 --7月クールには「NARUTO」のセレクション放送と新作アニメも放送される予定です。

 ナルトを主体にした新しい話がまた生み出されるというのがすごく幸せで。また大人でないナルトを演じられるのもうれしいし、どんな話になるのか興味深いし、私も楽しみにしています。

 --近年もゲームなどで少年のナルトを演じることもあるかと思いますが、アニメはまた別の楽しさがありますか?

 はい。映像に合わせて演技できるし、ほかの役者さんと会話もできるし。あと「BORUTO」では大人になった分、抑えられていますが、やっぱり少年のナルトははっちゃけられるから楽しいです。

 ◇悩む自分に寄り添ってくれた主題歌

 --「NARUTO THE LIVE」では「NARUTO」の歴代主題歌を担当したアーティストが集結します。歴代主題歌を振り返って印象深い楽曲を教えてください。主題歌だけで100曲以上ありますが……。

 そうなんですよ! だから1曲に選ぶのはとても心苦しいというか。だからいくつか挙げると、まずはよくご一緒させていただいているFLOWさんの「GO!!!」。あれはもう、聴くだけで汗が出てきます。いいエクササイズになるんじゃないかな。いくつか歌われている、いきものがかりさんは、彼女たちを大好きな私のマネジャーから存在を教えてもらった思い出があります。「これはいいよ、これはすごいよ」と何度も聴かされて(笑い)。歌われた中では「ブルーバード」が伸びのある感じで好きでした。それに女性が歌う曲はサクラちゃんを思い出させてくれるのもあって印象深いです。あとは最初のエンディングテーマになったAkeboshiさんの「Wind」。アニメの本編に向けて気持ちを盛り上げるオープニングとは逆に、エンディングは心を落ち着かせてくれたり、寄り添ってくれたりするイメージがあります。この「Wind」はナルトを演じるにあたってできないことが多く、悩み続けていた私に寄り添ってくれた曲でした。すごく心に染み込んできたのでとても思い出深いです。

 --「NARUTO THE LIVE」にどんな思いがありますか?

 とにかく楽しみです。一観客として楽しみたいし、盛り上がりたい。でも私、多分当日はナルト役として働く必要もありそうなので、「ああ、仕事しなきゃ」っていう気持ちもあって(笑い)。

 --原作20周年の際に行われたイベントにも出演されていましたね。

 あの時は私が出演する朗読劇などとライブが完全にパートとして分かれていたので、自分の出番でない時は普通にステージを見て盛り上がったり、裏ですれ違ったアーティストさんやバンドさんにあいさつさせてもらったりしていました。今回はそういうことができるのか不安で(笑い)。ただステージは面白かったな~。どの曲も楽しいんですよ。アーティストさんがすごく気持ちを込めて歌って演奏してくれるし、映像もあったし。映像があると「あのシーンだ!」となって、ブワッとくるんですよね。あれは生で味わうと格別のよさだったし、今回もそうなると期待しています。

 --今回は先ほど名前が挙がったFLOW、いきものがかりに加え、Anlyさん、ORANGE RANGE、KANA-BOON、CHiCOさん、ハンブレッダーズといった豪華アーティストの出演が決まっています。

 これってめちゃくちゃぜいたくじゃないですか? 私が大好きなコンテンツの主題歌を歌っている方々が集まってくれるなんて(笑い)。同じように「自分のためのイベントだ」と「NARUTO」「BORUTO」ファンなら思ってくれるはず。きっとみなさんの期待を裏切らないものになるだろうから、ぜひ会場で一緒に盛り上がりましょう!

 「NARUTO」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1999~2014年に連載されたマンガ。木ノ葉隠れの里の問題児・ナルトが、里一番の忍者・火影になるため奮闘し、成長する姿が描かれた。コミックスの全世界シリーズ累計発行部数は2億5000万部以上。テレビアニメ「NARUTO-ナルト-」が2002年10月~2007年2月、続編「NARUTO-ナルト- 疾風伝」が2007年2月~2017年3月に放送された。ナルトの息子・ボルトが活躍する「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」が2017年4月にスタートし、今年3月に第1部が最終回を迎えた。第2部の制作が発表されている。

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