芦屋小雁:6年前に認知症を発症も「一生仕事します」 妻・勇家寛子が発症当初の思いを語る「このまま2人でいなくなってしまおうか」 「徹子の部屋」で

芦屋小雁さんと妻の勇家寛子さん
1 / 1
芦屋小雁さんと妻の勇家寛子さん

 喜劇俳優の芦屋小雁さんと妻で女優の勇家寛子さんが、2月21日午後1時放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演した。小雁さんは6年前に認知症を発症。認知症の本人と家族がゲストとして出演するのは番組初で、発症当初の様子や、その時の思いを勇家さんが語った。

ウナギノボリ

 小雁さんは現在、認知症で要介護3の認定を受けている。初めて異変に気付いたのは勇家さんで、舞台公演のため2人で大阪を訪れた際、大阪の土地に詳しいはずの小雁さんが「ここどこや?」と言い出したことがきっかけだった。舞台袖でも「なんやこれ」と状況を理解していない様子だったが、勇家さんが出だしのセリフを伝え、背中をポンと押すと、何事もなかったかのように、アドリブを交えながら公演をやりきった。勇家さんは「まるで二重人格のように。これは普通じゃないなと思って病院へという形でした」と振り返った。

 徘徊(はいかい)を繰り返すなど、すっかり変わってしまった夫を見て「すべてが終わった」という思いにとらわれた勇家さん。「どうなっていくんだろう。私のことを忘れるのかな」と不安に襲われたという。「ひっそりとどこかに2人でひきこもるか、このまま2人でいなくなってしまおうかとか……。そういう時期もありました」と語った。

 そんな時、ある番組から「認知症を公表してはどうですか」という提案があった。最後の仕事のつもりで受けた取材中、小雁さんは「僕は芦屋小雁で一生仕事します」と語り、そのぶれない姿を見た勇家さんは驚いたという。番組のディレクターが丁寧に話を聞いてくれたこともあり、勇家さんは「カウンセリングを受けているような気になりまして、どんどん頭の中が整理されていきましてね。私の今やらなくちゃいけないことはこれなんだ! みたいなものが見えてきまして。その番組で立ち直ったっていう感じでした」と明かした。

 現在は、認知症啓発のため2人で講演活動を行っているほか、勇家さんは介護の資格を取得。「不安だったものが自信に代わると私自身も安定しますし、どんどんポジティブに上を目指すことができます」と笑顔を見せた。

 黒柳さんが「寛子さんのことが大好き?」と聞くと、小雁さんは「はい!」と即答し、「ほんまに最高ですね」と笑った。そして「一人でいるより一緒にいて、どこか行こうって言ったら一緒に行ってくれるとか……。それがもううれしくて」と感慨深げに話していた。

テレビ 最新記事