激しい権力闘争が描かれているNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(総合、日曜午後8時ほか)。殺伐とした展開が続いているが、その中で、視聴者の癒やしとなっているのは、三代目鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人さん)と御家人・和田義盛(横田栄司さん)の関係性だろう。実朝は義盛邸に足しげく通い、義盛は実朝のことを親しみを込めて、「武衛(ぶえい)」改め「羽林(うりん)」と呼ぶ。2人のほっこりしたやり取りは見ていて心が和むが、なぜ2人はここまで惹(ひ)かれ合ったのだろう。
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柿澤さんは「互いのピュアな部分に共鳴したのでは」と話す。
「実朝は鎌倉殿として君臨しているけど、実権はないし、一筋縄ではいかない御家人たちをどう束ねていけばいいのかすごく悩んでいる。もともと、争いを好まない性格ということも自身を苦しめています。そんな中、御家人の中で荒くれ者だけど、すごく純粋で、誰かを陥れようとか考えてない義盛に惹(ひ)かれていったのではないかと思います。一方の義盛も、実朝の純粋なところが気に入ったのではないでしょうか」
柿澤さんはそんな2人の関係性について、脚本の三谷幸喜さんが、シェイクスピアの名作劇の一つ「ヘンリー四世」のハル王子とフォルスタッフの関係性に通じるものがあると話していたという。フォルスタッフはハル王子の親友で、若き王子に悪事を勧める大酒飲みの老騎士だ。
「僕もシェイクスピアの舞台を何度かやってきましたし、栄司さんこそものすごい数のシェイクスピアをやっているので、脚本を読んだとき、三谷さんはハル王子とフォルスタッフを意識して書いていると伺い。栄司さんと2人で『ああそういうことか』とすぐに腑(ふ)に落ちました(笑い)」
柿澤さん自身、横田さんのことを「良きにーちゃん」といい、そんな関係性に重なる部分もあるという。
「これまで2度舞台で共演しているのですが、芝居バカだし、すごく好きな人。互いにお酒好きで、コロナ前はよく飲んでいました。一度飲み屋で大げんかしたこともあったんです、お互いに覚えてないんですけど」と笑っていた。
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