「ポーの一族」「トーマの心臓」などで知られるマンガ家の萩尾望都さんが、“コミック界のアカデミー賞”とも呼ばれる「ウィル・アイズナー・コミック・インダストリー・アワード(The 2022 Will Eisner Comic Industry Awards、アイズナー賞)」の「コミックの殿堂(The Comic Industry’s Hall of Fame)」を受賞した。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
アイズナー賞は米国のコミック業界が過去1年間で特に優れた業績を残した作品・アーティストを顕彰する。中でも「コミックの殿堂」は、個々の作品に対してではなく、マンガ家の“殿堂入り”を認める賞。過去に日本人作家では、手塚治虫さん、小池一夫さん、小島剛夕さん、大友克洋さん、宮崎駿さん、高橋留美子さんが受賞しており、萩尾さんは7人目に名を連ねた。
萩尾望都です。この度、伝統あるアイズナー賞で、2022年の「コミックの殿堂」入りという名誉をいただきました。
この素晴らしい贈り物に心から感謝いたします。
私の尊敬するマンガ家は手塚治虫です。この方は2002年にコミックの殿堂入りとなりました。手塚治虫はアメリカのアニメーションに感動し、生涯マンガでその動きと美しさを追求しました。私は10代の頃、そういう手塚治虫の作品に感動してマンガ家の道を目指しました。そして今、アメリカのアイズナー賞をいただいています。文化や表現はこのように派生し受け継がれていくのだと、改めて思います。
私は多くの方に感謝いたします。私を見いだし、仕事をくれた編集者に感謝します。特に小学館の山本順也編集者(故人)は私を束縛せず自由に表現させてくれました。私はどこまでも、羽ばたくことができました。私の仕事のスタッフ、支えてくれた多くの友人に感謝します。また、私の日本語の作品を翻訳してくださったマット・ソーンさんはじめ、翻訳者の方々に感謝します。この方々の仕事のおかげで、世界の読者に私の作品を届けることができました。
そして、私の作品を読んでくださったたくさんの方に感謝します。マンガという文化を世界の人々が愛してくださるのを心から感謝します。
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