1月7日にスタートしたテレビ東京の連続ドラマ「鉄オタ道子、2万キロ」(金曜深夜0時52分)で主演を務める女優の玉城ティナさん。今作が同局のドラマ初主演で、鉄道オタクであることを隠して生活する主人公・大兼久道子を演じている。玉城さんにドラマの撮影エピソードや鉄道にまつわる思い出、デビュー10周年を迎える思いなどを聞いた。
ウナギノボリ
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「鉄オタ道子、2万キロ」は道子が旅を通して、各地で生きる人々と出会い、景色や絶品グルメを堪能しながら本当の自分を探していく姿をオムニバス形式で描くドラマ。玉城さん演じる道子は、有名家具メーカーの企画営業として働く28歳。実は生粋の“鉄オタ”で、日本全国のローカル駅を目指し、一人旅に出るのが好き、という役どころだ。
演じるうえで、台本を読む前に監督と道子というキャラクターについて話し合ったという玉城さん。「『絶対にオタクとバレたくない』というネガティブな感じではなく、休日に趣味として鉄道を楽しんでいる女性を描きたい、というお話だったんです。仕事をしていて、でも自分の趣味もしっかり持っていて……という姿は自分自身にも近いところがあると思ったので、キャラクターとして遠いと思ったことはなかったです。コミュニケーションの取り方も、なんとなく自分に近いところがある。『役を作るぞ』と気合を込めたというより、『自分が道子だったら、どう自然体でリアクションするかな』という感じでした。モノローグが多いので、目線や表情に気をつけました」と振り返る。
道子と共通する部分があるという玉城さんだが、自身は「ハマっているものが続くタイプではない」。そのため、“オタク”に憧れがあるという。
「オタクの人って好きなんですよね。何かに詳しいとか、興味があるということ自体がすてきなことだと思うから。私自身はそこまで、わーっとハマっているものが続くタイプではないので、憧れています」と玉城さん。自身が最も長く続けているのは「仕事」だと苦笑し、「仕事オタクではないけど、仕事を楽しんで追求してやっているタイプかなと思います」。
撮影では、全国各地の無人駅を訪れた。その中で改めて発見できたことがあったという。
「何を目的とするかは、本当に人それぞれだな、と改めて発見できました。たとえば駅で降りたとき、コンビニがまったくなくて、私しかいなかったら、すごく開放感がある。温度感も空の感じも違うし、そうした一つ一つが楽しめる要素だなと思いました。撮影では北海道と福島と栃木に行ったんですけど、北海道の中でも、駅ごとに『あそこは雪が積もっていたけど、ここは違うんだ』という違いがあって。日本って本当に細長いな、と改めて思いました(笑い)。四季の移ろいの違いも微妙に感じることができますし、それぞれの駅で個性があるなと感じています」
沖縄出身の玉城さんに鉄道にまつわる思い出を聞くと、上京当時のエピソードを口にし、「東京に来て初めて電車に乗ったときは、ちょっと怖かったですね。こんなに人がいて……って。便利だけれど、こんなに人が乗る必要があるのかと(笑い)。沖縄はモノレールしかないので。高校から上京してきて、山手線で通学していたのですが、朝とかぎゅうぎゅうで……。『東京の人になったんだな』という気持ちになったのを覚えています」と笑った。
テレビ東京のドラマは初主演となる。順調にキャリアを積み上げている玉城さんにこれからの挑戦を聞いてみると、「やっと大人の女性の役もできる年齢になってきたので、もしかしたら今後はお母さん役とか、20代のOLで仕事の場面が多い役などもあるかもしれないですね」と思いを馳(は)せる。
「一般的な会社で働いた経験がないので、原作があってキャラクターがあって……という役より、そうした会社員の役などの方がなんとなく難しい気がしちゃうんですよね。これからは、そういう20代ならではの悩みがある等身大の役もやってみたいなと思います」と玉城さん。「あまり幅を決めずに、狭めるのではなく広げていく、ということを念頭に置いて仕事ができればと思います」とほほ笑む。
歌など、女優以外の活動についても「役に絡めて(歌うシーンも)演じられて……ということがあったら、面白いだろうなと思ったりします」と考えを明かし、「昨年は声優にも挑戦させてもらったり、一冊の小説を朗読させてもらったりもしたので、声のお仕事にも興味がありますね。そういうお仕事がどんどん増えていくと、役の幅も広がるんじゃないかと思います」と新たな挑戦に意欲を示す。
デビュー10周年については、「もう10年もたったんだな、とびっくりもありますね」と率直な思いを語り、「この10年は、自覚しているわけではないけれど、きっと自分の身になっていると思う。いろいろな仕事の中で、いろいろな人に出会ってきたんだな、と改めて思います。10代のときにしか出せない自分もいたでしょうし、今24歳だから出せる自分もいると思うので、年齢に合った、やりがいのある仕事ができればいいかなと思っています」と玉城さん。
最後に今後の抱負を聞いてみると、「出会いを大切にしつつ、一つ一つの作品に向き合うだけだな、それしかできないんだな、と思っています。大きいことをドカンとやるというより、(10周年が)一つの通過点としてあれば……と思います」と前を見据えて語ってくれた。
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