俳優の吉沢亮さん主演のNHKの大河ドラマ「青天を衝(つ)け」(総合、日曜午後8時ほか)に出演中の女優の大島優子さん。演じているのは芸者見習いの伊藤兼子で、11月7日放送の第34回「栄一と伝説の商人」に初登場した。兼子は後妻として渋沢家に入り、主人公・栄一(吉沢さん)と晩年まで連れそうことになる女性。最終盤を迎えようとしているドラマに、キーパーソンの一人として新たに加わることについて、「うれしさの半面、急に怖さがあふれた」と話す大島さんが、初の大河ドラマの印象などを語った。
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伊藤兼子は、「伊勢八」の名で知られた豪商・伊藤八兵衛の娘。明治維新後、家業が大損失を出して没落してしまう。路頭に迷う妹たちを女手ひとつで養うため、芸者として身を立てることを決意。門をたたいた置き屋で、三味線の師匠として出入りしていたやす(木村佳乃さん)と出会う。
やがて兼子は、千代(橋本愛さん)を病で亡くした栄一の再婚相手として渋沢家に入る。栄一は兼子に家政と子供の世話、政財界との家族ぐるみの付き合いを抜かりなくやるよう頼むが、当の栄一は千代を失くした悲しみから立ち直れずにいて……。
11月28日放送の第37回から本格的に再登場することに、「残り5回(ドラマは全41回)で、本当にラストスパートのところに登場するのだと思った」という大島さん。そういった役どころの重要度に「プレッシャーで胃が痛くなるような日々を過ごした」といい、だからこそ「うれしさの半面、急に怖さがあふれた」とも明かしている。
初めての大河ドラマの撮影現場は「他ではない緊張があって。周りは全員プロフェッショナルなので、一秒たりとも気が抜けない緊張感がある」との印象。一方で、「でも、楽しいですし、すごくやりがいもあります」とし、「一人の人間の心に渦巻いている感情というものを表現するのに、時代背景やその時代に生きていた人たちのことを想像しながらとか、あとは共演者の方たちの反応とか、全てを敏感に感じながらやらないといけないので、すごく疲れますけど、それはいい疲れでした」と充実感をにじませる。
また、大島さんは自身の役どころについて、「兼子は後妻で、渋沢栄一が実業家として近代日本の要となっている状態のところから隣にいるパートナー」と重要度を理解。
元は豪商の娘ながら、芸者から栄一の後妻に“転身”した兼子から、「前妻の千代さんという大きな存在がある中で、肝が座っているというか、全てにおいて自分の中に落とし込める女性としての強さ」を感じたといい、「栄一さんがチャーミングな方だから、パートナーとして、できればすてき映りたいですし、皆さんに愛されるキャラクターになれたらうれしいのですが」とほほ笑んだ。
そんな大島さんから見た栄一役の吉沢さんは、「すごいエネルギーの持ち主」で、「こちら側に与えてくれるエネルギーもそうでし、本人の中に燃えたぎっているエネルギーもすごくあると思うんです。それを感じるので、だからこそ緊張感も生まれる」とも告白。「自分ももっとやりたい、しっかりと隣にいられるような人でありたいってすごく思わせてくれる人。気持ちを盛り上げてくれる方です」と共演に感謝していた。
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