水原希子：「The Covers」MCは「今でも緊張」？　名曲カバーの魅力、山下達郎、シティーポップ…

2021年09月11日 07:40

MANTANWEB編集部

　NHK・BSプレミアムの音楽番組「The Covers」（日曜午後10時50分）で、今年の4月からMCを務める女優でモデルの水原希子さん。これまで、同じく番組MCのリリー・フランキーさんと共に、ゲストとの音楽談議に花を咲かせてきた。「音楽好きであることは間違いないのですが、基本、音楽は直感やノリで聴くタイプ（笑い）。番組では、知ってる曲も知らなかった曲もたくさん出てきて、数々のゲストの方々のバックストーリーも聞けるし、とても有意義な時間で、単純に勉強にもなるし、得るものがたくさんあって楽しいです」と語る水原さんに話を聞いた。

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　◇収録を終えると毎回必ず得るものがある「The Covers」

　番組は、ジャンルを超えたJ-POPのアーティストたちが、日本の歌謡曲やポップスを中心に、自身が影響を受けた名曲を、それぞれの持ち味でカバーし、新しい命を吹き込んでいく……という内容。水原さんは今年4月に、池田エライザさんからMCの座を引き継ぎ、番組に出演してきた。

　初登場は4月4日放送回で、収録後には「すごく緊張しました」と明かしていた水原さん。あれから約5カ月がたったが、「多少、今でも緊張はします。ゲストをお招きして、音楽というものを語る番組なので、MCとしてトークを回していかないといけないという責任もありますし。でも収録を終えると毎回必ず得るものがあるので、すごくいい時間を過ごさせていただけています」と笑顔を見せる。

　「The Covers」ということで多彩なゲストによる名曲カバーは番組の大きな魅力。

　「知ってる曲も知らなかった曲も出てきて。知ってる曲に関していうと、アレンジの違いによって改めて感じる楽曲の良さというのはもちろんある。歌詞も改めて好きになったり、カバーすることの面白さや、逆に難しさも知ることができたり。私は聴いているだけなのですが、毎回『すごいな～』と圧倒されることは多々あります」

　一方、知らなかった曲については、「そのカバーきっかけで知ることになるので、そこから原曲を掘り下げていくのが単純に楽しいです」とにっこり。「私が初めて触れるもの、知る機会がすごく多い番組ですので、そういう部分はやはり魅力的。私自身が一視聴者の立場で番組を楽しんでいるので、番組を見てくださっている方々も、同じような体験をしているんじゃないのかなって思っています」と推し量った。

　◇名曲カバーを通して学んだこと　ユーミンの言葉

　改めて名曲カバーについて「ユーミンさん（松任谷由実さん）がすごくいいことを言っていて、自分の曲が、誰が歌っていたのか分からなくなるくらい、曲が独り歩きして、行き着いたときこそ、自分の子供が巣立ったような感覚になる、みたいな意味のことを言っていて、本当にそういうことだなって」と実感を込める。

　その上で「実際、曲自体は知っていたけど『歌っていたのはこの方だったんだ』と自分もなるときがある。それは曲そのものが魅力的だから。“いい曲”というのは、そういうものなのかなって思ったりもします」と持論を披露。

　続けて「一瞬時を忘れるくらい楽しんでしまう、音楽とはそういうもので、勝手に心に入ってくるものということを、名曲カバーを通して学ばせていただいているので、本当にすてきなひとときを過ごさせていただいています」と充実感をにじませていた。

　◇きっかけは山下達郎？　「シティーポップ」にも思い入れ

　水原さんが普段、好んで聴くのは「ブラックミュージック」だという。「私はもちろん、覚えていないのですが、生まれて、家に帰ってきたときに初めて聴かされた音楽はアル・グリーンだったそうです（笑い）。父はディスコミュージックも大好きでしたし、私自身、青春時代はヒップホップ、R＆B真っ盛りで。あとはハウスとか。私の人生に欠かせない音楽ジャンルの一つがブラックミュージック。決して詳しくはないのですが、今でも好きで、それは変わらないし、自分の血肉にはなっているのかなと思います」と明かす。

　日本の音楽では「割と昔のもの」をよく聴くといい、そのきっかけとなったのが山下達郎さんだという。

　「聴き始めたのは何年も前。太陽みたいな歌声で、聴いているだけで元気が出る。改めて音楽の力って計り知れないんだってことを教えてもらったというか。ライブにも何回も行っていて毎回、元気をいただいています。リアルタイムで聴いてきた世代ではないので、自分なりに同じような年代（1970年代半ばから1980年代にかけて）の方を掘ってみようとやり始めて。だから、日本の音楽においては、達郎さんの影響は大きいです」

　奇（く）しくも水原さんの「The Covers」初登場回は、山下さんと、山下さんの妻でシンガー・ソングライターの竹内まりやさんを特集した「The Covers シティ・ポップナイト！【第1夜】～竹内まりや・山下達郎ヒット曲～」だった。「本当に自分にぴったりで。『シティーポップ』って、若い人たちにも多くの影響を与える、今やメジャーな音楽トレンド。海外の友達も曲を知っているくらいジャンルが確立されていて、それってすごく面白い現象だなって」と声を弾ませる。

　「竹内まりやさんの『プラスティック・ラブ』（シティーポップを代表する名曲）とかも、まるで自分のことを歌っているみたいだなって、すごく希望が持てる。今の時代のアーティストの方の中にもすてきな曲はたくさんあるのですが、自分の好きなものが反映されているのがシティーポップ。旅をしていて聴きたくなるような、ドライブしながら聴きたくなる音楽で、大好きです」と思い入れの強さをのぞかせていた。