機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ:村瀬修功監督は“孤高のクリエーター” リアリティーを土台にアニメに落とし込む スタッフがトークイベント

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のスタッフのトークイベントの様子(C)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」のスタッフのトークイベントの様子(C)創通・サンライズ

 人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)のスタッフによるトークイベントが6月23日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、演出を担当した原英和さん、撮影監督の脇顯太朗さん、制作デスクの岩下成美さん、仲寿和プロデューサーが登場。制作の裏側を語った。

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 原さんは、村瀬監督について「孤高のクリエーターという印象です。目を見て話してくれるのに2カ月かかりました(笑い)。根が優しいので、仲よくなると、たくさん話してくれます。自然に要求がエスカレートしていくこともありましたが(笑い)。キャラクターの心情など細かいものまで、懇切丁寧に教えてくれます」とコメント。

 脇さんは「作業に取りかかる上で、前に村瀬監督と一緒に仕事をしていた撮影監督の先輩方に話を聞くと、村瀬監督の作品は基本的に暗いので、それをいかに見やすくするかが重要だと聞いて、過去作をいくつか見ましたが、正直暗くて戸惑いました。プロデューサーの小形(尚弘)さんには、あまり暗いとガンダムなのでちょっと……と言われて、それで言うとメカデザインの玄馬(宣彦)さんにはメカのシーンは大事なのに、なぜこんなに暗いのか?と意見が食い違う場面もありました」と話すと、岩下さんは「村瀬監督はガンダムであることは意識して取り組んでくれたんですけど、玄馬さん含め、今までガンダムをやってきたクリエーターたちとはすり合わせの時間がかかりましたね」と明かした。

 3DCGによる空中戦も話題なっており、原さんは「背景の2Dをどういうふうに加工してなじませるか、この作品はリアリティーを土台にそれをアニメに落とし込む作業でしたね。ダバオ空港のラウンジのシーンなんか背景がすごすぎて、キャラが浮いてしまうのではないかと心配しましたが、撮影さんがうまくなじませてくれました」と語った。

 グスタフ・カール00型とメッサーF01型との戦闘で、花火のように火花が飛び散るシーンについて、原さんは「本来は火花ではなく粒子が飛ぶ予定だったのが、玄馬さんが火花にしたいと言いまして……。なので、中国の花火大会を参考に、どうしたら再現できるのかを試行錯誤しながら作業を重ねました。そこで、村瀬監督に許可をもらって、エフェクト作画監督の金子秀一さんに相談し、迫力のあるカットに仕上げてもらいました」と説明した。

 「閃光のハサウェイ」は全3部作で、原さんは今後について「皆様、次作も期待されていると思います。真摯(しんし)に向き合って作りますので、気長に待ってもらえるとうれしいです」と話した。

 「閃光のハサウェイ」は、1989~90年に富野由悠季監督が発表した小説が原作。宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイが、新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。

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