鈴木敏夫P:コロナ禍で映画の役割は「ヒントを出すこと」 新作「アーヤと魔女」に自信も

名古屋市内で22日からスタートする展覧会「ジブリの“大じゃない”博覧会」で展示されるネコバスの隣に立つ鈴木敏夫プロデューサー
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名古屋市内で22日からスタートする展覧会「ジブリの“大じゃない”博覧会」で展示されるネコバスの隣に立つ鈴木敏夫プロデューサー

 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(P)が7月21日、名古屋市内で、22日からスタートする展覧会「ジブリの“大じゃない”博覧会」の開会式に出席した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響について「コロナをどうしたらいいかは誰にも正解は分からない。僕は、そのヒントを出していくのが映画の役割じゃないかと考えます」と話した。

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 また今冬、NHK総合で放送される予定の宮崎吾朗監督の最新長編アニメーション「アーヤと魔女」について、「コロナの前と後では映画のテーマが変わってくると思う。それに耐えうる作品なのかどうか、出来上がった作品を観て、これならやっていける、と思えたのがうれしかったですね」と自信をのぞかせた。

 同展について、6~9月に名古屋市内で予定していた展覧会「ジブリの大博覧会」が新型コロナの影響で延期になったことから「それでは切ないので何かやってくれないかと急きょ頼まれた」と経緯を明かし、「ところが、普通は制作期間は少なくとも1~3年かかるのに、1カ月でやってくれと言われた。これまでの作品のエッセンスを取り出して、倉庫にしまってあったもので準備するしかなかった」と開催までの苦労を語った。開会式の前に行われた内覧会を観た人から「『“大じゃない”というから小さいかと思ったら、結構大きかった』という感想が多くて、すごく安心しました」と胸をなで下ろして笑みを浮かべた。

 この日、鈴木Pは「名古屋で生まれて名古屋で育ちました。愛知県のために頑張りました!」とあいさつし、「千と千尋の神隠し」のキャラクター湯婆婆、カオナシとともにテープカットを行った。主催する愛知県の大村秀章知事、中日新聞社の大島宇一郎社長も出席した。

 展示では、「アーヤと魔女」の人形、2年後に愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)で開園予定の「ジブリパーク」の建築模型やスケッチなどの資料がいち早く公開されるほか、「千と千尋の神隠し」のコーナーには巨大な湯婆婆と銭婆、三鷹の森ジブリ美術館から、人気のネコバスが登場する。また「天空の城ラピュタ」「紅の豚」「ハウルの動く城」「かぐや姫の物語」など、ジブリの名場面を背景に記念写真を撮ることも可能。宮崎駿監督が選んだ児童文学作品の直筆推薦文の展示もあり、“名作創造の秘密の一端”に触れることができるという。

 愛知芸術文化センター(名古屋市東区)8階の愛知県美術館ギャラリーA・B・H・Iで、22日~9月3日。午前10時~午後6時。金曜は午後8時まで。月曜休館。料金は平日が大人1400円、高大生1000円、小中生700円。土日祝日は大人1500円、高大生1100円、小中生800円。日時指定入場制で、事前にローソンチケットにて日時指定入場券を購入する必要がある。

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