藤子・F・不二雄さんの人気マンガ「ドラえもん」(小学館)のてんとう虫コミックス全45巻の豪華愛蔵版セット「100年ドラえもん」(7万7000円、12月1日発売)。永久保存版として装丁、印刷、製本、用紙など徹底的にこだわった仕様はさることながら、原画集やフィギュア、超大型タイムふろしきといった豪華購入特典も話題となっている。その中でもファンの注目を集めているのが、コミックス全45巻に登場するひみつ道具、キャラクター、サブタイトルを50音で引ける完全索引「引くえもん」だ。小学館のドラえもんルームの徳山雅記編集長は「ひみつ道具1407項目、キャラクター2879項目、サブタイトル全822話を網羅した『ドラえもん』の初となる公式索引巻です。ファンの方が喜んでくれるという確信があります」と語る。
ウナギノボリ
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引くえもんの中でもとくに力を入れたのが、キャラクター索引だという。制作する上で、コミックスの中からどのキャラクターまでピックアップするか、話し合いを重ねたという。
「藤子・F・不二雄先生が、意図を持ってマンガの中で役割を与えた人物、動物など全て掲載しようとしました。名前があるキャラクターだけでなく、姿は描かれていなくてもせりふだけ、吹き出しで出てくるキャラなど、どれ一つおろそかにできない。作者の意図にたどり着けるような索引にしたいと考えました」
例えば、コミックス第2巻収録の「テストにアンキパン」で、のび太がひみつ道具のアンキパンを使って電話帳の情報を暗記した際、しずかが「阿井上男(あいうえお)さんの番号は?」と聞くシーンがあるが、このせりふのみに登場した「阿井上男」も収録される。のび太たちが釣りに出かけるエピソード「海坊主がつれた!」(第31巻)からは、「アジ」「イシダイ」など釣れた魚まで網羅。こうした細かなセレクトにより、「イヌ」の項目だけで113種におよび、イヌで見開きが埋め尽くされるページもある。
「阿井上男さんは、しずかのせりふのみに登場するので姿は分かりませんが、『ドラえもん』の世界に阿井上男さんは存在している。釣りのエピソードのイシダイも、藤子・F・不二雄先生が描くキャラクターの目をしている。動物も演技しているんです」
徳山編集長ら制作スタッフは、引くえもんを編集する中で「どんな脇役にも作者の目が行き届いていると実感する」という。「引くえもんは、今までになかった『ドラえもん』の索引。読み物としても楽しめますし、『100年ドラえもん』をフルで堪能するためのガイドブックとして使っていただけたら」とアピールした。
「100年ドラえもん」は、マンガ「ドラえもん」の誕生から50周年を記念した企画の一環として発売。2112年9月3日、未来のネコ型ロボット・ドラえもんが誕生する「100年後、22世紀の未来まで『ドラえもん』を届けたい」がコンセプト。全45巻がハードカバー、布クロス装となっており、本の上部には紙への湿気やホコリをガードする天金加工を施す。予約は8月31日まで。
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