マンガ誌「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で1987年から1996年まで約9年間にわたって連載された、作・毛利甚八さん、画・魚戸おさむさんのマンガ「家栽の人」が、俳優の船越英一郎さん主演でドラマ化されることが4月20日、分かった。テレビ朝日系で「ドラマスペシャル『家栽の人』」として、近日放送される。
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作品の主人公・桑田義雄は、前崎家庭裁判所の判事。“家事審判”では、関係のこじれてしまった家族や夫婦にかつての自分たちを思い出すことの大切さを語り、“少年審判”では、“どうすれば少年が立ち直るのか”を真摯(しんし)に考え、彼らを見守り、育てようとする。タイトル「家栽の人」の「栽」の字は、植物好きの桑田判事を象徴したものといわれている。
連載当初から原作の大ファンだったという船越さんは「お話をいただいたときは、本当にうれしかった!」と出演を喜び、「本作は見ていただいた方々の心の中に“やさしさ”という種を植えるような、ヒューマンサスペンス。暗いニュースが多い今だからこそ、人間の原風景みたいなものをじんわりと感じていただけるドラマになれば」と語っている。
船越さんのほかに、足立梨花さん、堀井新太さん、山中崇さん、佐藤仁美さん、森下能幸さん、望月歩さん、新山千春さん、西岡徳馬さん、角野卓造さんらが共演する。
――オファーを受けたときの心境を教えてください。
お話をいただいたときは、本当にうれしかったですね! 実は僕、原作連載時からのファンだったんです。“いつかこの作品をやりたい……”。そんなかすかな思いが、自分の中に“種”のようにずっとあったのですが、今回、その種をようやく芽吹かせてもらった気がしています。
――ご自身が思う、原作の魅力とは!?
連載終了から24年たっても古さなどみじんも感じさせない普遍的な名作だと思います。これを読んで法曹界を目指した人も多いと聞きますし、“人の道”、“少年の心の機微”、それに大人がどう向き合うべきなのかが描かれ、まさに名言、金言の坩堝(るつぼ)! 今後も読み継がれていくべき作品だと思うので、このドラマをきっかけに多くの皆さんが原作を手に取っていただけたらすてきだなと思います。もちろん今回のドラマにも珠玉のセリフが多々ちりばめられていますよ。
――主人公・桑田義雄はどんな人物だと考えていますか?
彼の中には少年の部分が大きく残っていて、だからこそ犯罪に手を染めた少年たちの心の深いところまで降りていくことができるのだと思います。また、判事である前に“悩める人間”でもあると思いますね。自分自身、もがきながら少年たちと向き合い、裁いたからといってそこで終わりにするのではなく、裁いた先に“光”が見いだせるまで食い下がる……。植物に例えれば、見えない土の中で縦横にからみ合っている根の部分にまで目を注ぐ人、ですね。
――ご自身と重なる部分は?
僕はわりと根に持たない男なんです(笑い)。“許せる人”でありたいというか、いろいろなことが周囲で起きてもそれを許していく度量を自分の中に持ちたいと思っています。桑田判事ほど太い幹を持っているわけではありませんが、そこがかすかな共通点かな……。
――視聴者の皆さんに感じてもらいたいことは?
本作は推理しながら見ていただくサスペンスというより、見ていただいた方々の心の中に“やさしさ”という種を植えるような、ヒューマンサスペンス。暗いニュースが多い今だからこそ、人間の原風景みたいなものをじんわりと感じていただけるドラマになればと思います。
僕の代名詞のようになったシリーズ「火災調査官」とは字は違いますが、“カサイ”という読み方は一緒なので、深いご縁を感じざるを得ないです(笑い)。先日もロケ先で「家栽の人」の撮影ですとお話ししたら、「見てます~!」って言われて、「その“カサイ”じゃないんです」ってお伝えしました(笑い)。「火災調査官」では灰の中から真実を見つけてきましたが、この作品では人間の奥に潜む真実を見つけ、その心に“善”という名の種を植え、育てていきます! 魅力的な俳優さんも集結していますので、ぜひ多くの皆さんにご覧いただきたいです。
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