仮面ライダー:生駒里奈 劇場版「令ジェネ」でジェンダーレスな役「やりたいと思っていた」 変身願望も明かす

映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」に出演した生駒里奈さん
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映画「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」に出演した生駒里奈さん

 特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの劇場版最新作「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」(杉原輝昭監督)が12月21日から全国公開される。令和初の仮面ライダー「仮面ライダーゼロワン」の誕生の秘密に迫る物語が描かれる冬の仮面ライダー映画シリーズの最新作。今作で仮面ライダーの世界の歴史改変をもくろむタイムジャッカー・フィーニス役を演じ、「仮面ライダー」シリーズに初出演する生駒里奈さんに、役作りについて、大好きだという「仮面ライダー」についてなどを聞いた。

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 ◇夢がかなったことに喜び

 キャスト発表時、「もともと仮面ライダーが大好きなので、いつか携われればと思っていました」とコメントを寄せた生駒さん。「仮面ライダー」に夢中になったきっかけは、桐山漣さんと菅田将暉さんが出演していた「仮面ライダーW」だという。

 生駒さんは、「『W』のフォルムが衝撃だった」といい、「2人で一つの仮面ライダーって、予告を見たときには『どういうことだろう』と一瞬思いましたが、スマートさがすごく好きになりました。(仮面ライダー)アクセルやフィリップ君だけのファング(ジョーカー)とか出てきますけど、2人で一つというサイクロンジョーカーが私には刺さりまくって」と興奮気味に話す。

 出演オファーを聞いたときの心境を改めて聞くと、「平成生まれなので、私自身は平成仮面ライダーで育っている。すべての年代に詳しいというわけではないのですが、日本の子供たちの多くは私と同じように特撮で成長してきていると思うんです。ただ純粋に好きだった存在から、その世界に入っていつかやりたいなという目標になり、それが今回かなった。こんなにうれしいことはないです」と満面の笑みを浮かべる。

 ◇いつかは“変身”してみたい

 自身が演じるフィーニスについて、「最初に『ジェンダーレスなキャラクターだよ』と説明があったのですが、すごくやりたいと思っていた役どころだった」と明かし、「中性的なところのアプローチというものは自分の中でもどちらかといえば得意な方なのかなと」と冷静に自己分析し、「そこをさらに伸ばしたいなと思っていたので、今できたことはうれしかったです」と喜ぶ。

 自身と比較して、「どちらかというと素の自分は無口だったりするので、そこは似ていると思います」と共通点を挙げ、「フィーニスの存在って男でも女でもないし、破壊を破壊と思っていなければ悪を悪とも思っていないと思うんです。“とてつもないキャラクター”ですよね(笑い)」と楽しそうに語る。

 役作りでは、「あまり表情をつけないことや、しゃべり方も少しゆっくり話すようにしました」と意識した点を説明。

 撮影前には、「『変身ポーズを自分で考えられる』と聞いていたのですが、フィーニスは変身ポーズがなくて。どうしようとあれこれ考えていたんですけどね(笑い)」と残念がるも、「やっぱりいつかは『変身』ってやってみたいなって。それを子供たちがまねしてくれたら、そんな幸せなことはないです。(自身は)中学生の時にも仮面ライダーWの変身ポーズをやるような子供でしたけど、それだけ人を熱中させられるのがヒーローだと思うんです。いつかは背負ってみたいですね」と思いをはせる。

 ◇全ライダーの中で一番好きなのは…

 特撮を見始めたきっかけは、「4歳くらいのころ、『(百獣戦隊)ガオレンジャー』にあすっかりはまって」と生駒さん。「『ガオレンジャー』を見るために起きていて、その後に『仮面ライダー』を見ていました。当時(レンタル)ビデオ屋さんに行って、歴代の戦隊とか仮面ライダー作品を借りて、週末はずっと見ていました」と幼少期の思い出を語る。

 最近、再び「百獣戦隊ガオレンジャー」を見る機会があり、「『ガオレンジャー』のエンディングが大好きなんですけど。そのエンディングを見て『懐かしい~』って泣いちゃったら、一緒に見ていたお母さんに『やめてよ』と言われました」と楽しそうに笑う。

 「仮面ライダーW」が好きだという生駒さんに、あえて「全ライダーの中で一番好きなのは?」と質問。「そうですね……いっぱい魅力的な仮面ライダーがいますから」と悩みつつ、「基本はWとかビルドの形が好きなんですけど、アギトはすごくカッコいいと思います。特にライダーキックするときが。クウガは最強だと思いますし、1話を見たとき、『何これ? すごい!』って思いました」と答える。

 さらに、「どちらかというとシンプルな仮面ライダーが好きなのかもしれないです。でもグリス、すごい好きです」といい、「昔は緑や黒がテーマカラーで、クウガになって赤になる。アギトも赤ですけど、ちょっと違いますよね。そこの差で、こんなにも大きな違いを感じさせられるデザイン力もすごい。やっぱり選べないですね。どのライダーもカッコいいですから」と笑顔を見せる。

 放送中の「仮面ライダーゼロワン」の印象は、「色合いが新しくなったなって。昭和ライダーには派手な色はそんなにないですし、平成はエグゼイドでいろいろやったと思うんですけど、次は蛍光色か、と。なるほどと思いましたし、すごい。アイデアですよね」と感心し、「ゼロワンは古き良き仮面ライダーの見た目ですけど、新しい衝撃がきたなという感じがします」と話す。

 ◇今後チャレンジしてみたい役は「嫌なヤツ」

 歴史の改変を狙うタイムジャッカー役を演じているが、「歴史を変えてみたいか」と水を向けると、「きっと変えたところで人間は同じ過ちをどこかでしてしまうんじゃないかなって。何かを得るために何かを失ってきたのが人類の歴史だと思うんです。過去を変えたとしても、その代償として未来で何かを失うと思うので……、今の時代を生きる人間として、未来を明るくしたいですね」と神妙な表情で語る。

 今作の見どころを、「飛電或人はこれからさらに成長していくキャラクターだと思いますが、ジオウチームはすごく大人で常磐ソウゴの言葉に説得力がある。これから担っていく人たちに対して仮面ライダーとして背負っているものや背負い方が見られる作品だと思います」と語り、自身が演じるフィーニスについては、「アナザーウォッチを渡してゼロワンの世界が変わるのですが、渡した瞬間のセリフはぜひ注目してほしいです」とアピールした。

 最後に今後チャレンジしてみたい役を聞くと、「本当に嫌な悪役をやってみたいです」と回答。その理由を、「役で『こいつ本当にむかついた』みたいな印象は記憶に残るし、やっぱり存在が気になるじゃないですか」といい、「そんなふうに思ってもらえるようなお芝居ができるようになったら、きっと私も、一つステップアップできると思うんです」と意気込んでいた。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

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