落語家の笑福亭鶴瓶さんが、11月公開予定の「閉鎖病棟(仮)」(平山秀幸監督)で主演を務めることが4日、分かった。鶴瓶さんが映画で主演を務めるのは、「ディア・ドクター」以来、10年ぶり。
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「閉鎖病棟」は、精神科医でもある作家の帚木蓬生さんによる1995年の小説で、長野県小諸のとある精神科病院を舞台にしたサスペンス。鶴瓶さんが演じるのは、母親や嫁を殺めた罪で死刑となりながら、刑の執行が失敗し生き永らえ、精神科病院に入院している男・梶木秀丸。2011年に原作を読み惚れ込んだ平山監督が、初めて自ら脚本を執筆して映画化を打診。9年越しで実現させたという。
今回、鶴瓶さんは秀丸を演じるにあたり、炭水化物をとらない食事制限や腹部にラップを巻くなどしてダイエットを行い、約10日間で81.6kgあった体重を73.8kgまで減量。これまでの「いい人」キャラとは異なる存在感を要する役柄に挑んでいる。鶴瓶さんのほか、秀丸と心を通わせる患者役として、綾野剛さんや小松菜奈さんも出演する。
平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数多く手がけた平山監督がそこまでおっしゃるならと、お引き受けしました。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でもせりふを言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています。
鶴瓶さんは深く潔く、小松さんは繊細でみずみずしく、平山監督は愛で現場を包み込んでくれる。私はこの作品の中で、本当を見つけることを捨て、嘘をつかないことを手に入れた。本当とは観念だ。嘘をつかないとは心念だ。平山監督のまなざしに魅せられ気づかされました。誰一人、自分に嘘がない人たちの物語です。優しく強く抱きしめていただけたら幸いです。
今回、私が演じているのは、自分ならば決して耐えられないほどの壮絶な過去を背負いながら、強い覚悟で生きていく少女の役です。共演者の方々とお芝居の化学反応を楽しみながら、日々挑戦しています。特に長野ロケでは、演技に集中出来る環境が整い、鶴瓶さんや綾野さんという諸先輩がオープンに接してくださるので、オンとオフを切り替えながら、現場で落ち着いて撮影に取り組めているのを実感しています。
原作が書かれた20年以上前と比べて、今ではスマホやパソコンで生活は便利になったけれど、むしろ、自分の荷物を抱えきれずに、心の病にかかる人が増えた気がする。
自身もどん底で苦しいのに、他人の痛みを思いやる。原作で、秀丸がみせる“自己犠牲”に圧倒され、どうしても映画化したいと脚本を書き始めた。
笑福亭鶴瓶さんは、きっと新しい顔を見せてもらえるとお願いした。
そこに綾野剛さん、小松菜奈さんという、才能あふれるキャストが加わって、芝居の応酬を見ていて楽しい現場となった。
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