安藤サクラさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」に小野塚真一役で出演中の大谷亮平さん。真一はヒロイン・福子(安藤さん)の姉・咲(内田有紀さん)の夫。福子にとっては、度量が大きくて、口数は少ないながらも、重みのある言葉で常に元気づけてくれる良き義兄であったが、そんな真一の人生にもある転機が訪れようとしている。「真一にもようやく自分自身の幸せを考えてもいいのかなというタイミングが訪れます」と明かす大谷さんに、真一の“変化”について語ってもらった。
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残すところ約2カ月となったドラマを振り返り、「登場人物の中で一番人格が変わったのが真一かもしれませんね」と語る大谷さん。大谷さんによると、真一は「咲が亡くなり、戦争が起きて、全てが無くなってしまった。絶望して戦争で死ぬつもりだった」というが、そんな真一を変えたのが、萬平(長谷川博己さん)と福子の“萬福(まんぷく)夫婦”であり、たちばな塩業で一緒に働いた塩軍団の若者たちだった。
「自分がこれまで見ていなかった、想像もしていなかった世界がうらやましく見えて、人として価値観が変わった。何かがふっ切れたんだと思います。だから以前よりよく笑ったり、困ったときは顔をしかめたり……。感情表現が以前よりよく出るようになったのは、大きな変化だったと思います」と振り返る。
たちばな塩業では、出社初日に萬平や塩軍団の若者たちと進駐軍に捕まってしまう“不運”もあった。「進駐軍の取り調べで、自分の気持ちを吐露するシーンが、自分にとってはすごく大きなシーンでした」と語り、「『前の会社では、毎日金のことばかり考えて仕事していました。それが嫌になったんです』というせりふがあるのですが、進駐軍相手に説明しているというよりは、言いながら自分の気持ちを整理して、だから福ちゃんたちを助けたいんだと再確認した場面だったような気がします」と明かす。
大谷さんから見た真一は「戦争から帰ってきてからは、どんな家に住んでいるのかも分からないし、プライベートが見えない。ある意味、寂しい男」。それでいて「自分の幸せや欲よりも、萬平さんや福ちゃんたちの幸せを願って、助けになりたいというのが、真一の生きがいでもありました。もしも福ちゃんに何かあって、身代わりにならなきゃいけないことが起きたら、一番に手を挙げそうな気がします」とどこか誇らしげでもある。
そんな真一が「最後まで咲のことを思っていくのかどうか」は、大谷さんも気になっていたところで、「真一にもようやく自分自身の幸せを考えてもいいのかなというタイミングが訪れます。咲が亡くなろうとも咲の家族ともつながっていきたいという気持ちが真一の原点にはあって、そういうところを許して理解してくれる人に出会えたことで、新たな一歩踏み出せたんだと思います」と語る。
また、「真一は、さらに変わっていくんでしょうね」と推測すると、「ご覧になられている方はその変化を僕以上に感じられると思うんですが、僕自身は、意図的にスイッチを入れて変えたというより、真一として考えているうちに、自然とそうなっていったという感じがします。より感情を表現したり、時には熱くなったり、根底にはこんな明るさがあったんだ、というところが垣間見えると思いますので、それを楽しんでもらえたらなと思っています」と視聴者にメッセージを送っていた。
「まんぷく」は、99作目の朝ドラで大阪放送局制作としては42作目。インスタントラーメンをこの世に生み出した実業家・安藤百福(ももふく)さんとその妻・仁子(まさこ)さんの半生がモデルのドラマ。
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