「白い巨塔」「不毛地帯」などで知られる作家・山崎豊子さんのベストセラー小説「二つの祖国」がテレビ東京で実写ドラマ化され、俳優の小栗旬さんが主演を務め、ムロツヨシさんがライバル役を演じることが26日、明らかになった。小栗さんが同局のドラマの主演を務めるのは、今回が初めて。ドラマは、同局の開局55周年を記念した特別企画ドラマスペシャルとして、来年3月30、31日に2夜連続で放送される。
ウナギノボリ
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「二つの祖国」は、1900年代の第二次世界大戦前、大戦中、大戦後の米国と日本が舞台。米国に生まれ、米国人として育てられた日系2世たちが、“二つの祖国”のはざまで戦争という運命に翻弄(ほんろう)されながら怒濤(どとう)の人生を歩む姿を描いた青春偶像劇が繰り広げられる。
小栗さんは、日系2世でロサンゼルス・リトルトーキョーの新聞記者である主人公の天羽賢治を、ムロさんは同じく日系2世で賢治の学生時代からの友人でありライバルのチャーリー田宮を演じる。チャーリーは米国社会での成功を目指す野心家で、チャーリーと賢治は“運命の2人”として対立する。ドラマは、小栗さん、ムロさんのほか、「テレビ東京ドラマ史上始まって以来の“絢爛(けんらん)豪華な俳優陣”」が集結するという。
小栗さんはムロさんとの共演について「売れっ子ですから胸を借りるような気持ちでいようと思います。どんなに仲のいい人でも敵対する役をやることはありますし。相手を刺激したい、発破をかけたい、という気持ちがお互いにあります」とコメント。
続けて「チャーリーを見ると生い立ちを含めてムロくんとどこかリンクするところがあるので。初めて『二つの祖国』を読んだ時からチャーリーをムロくんがやったらおもしろいのにと思っていました。昔から語り合ってきた友人という点や上を目指しているという点もムロ君は昔は本当にそういうところが如実に出ている人だった。それも含めチャーリーとつながるところがあると感じていました」と語っている。
ムロさんは「僕と小栗君が知り合って15年ぐらいになります。出会ったころはポジションとか周りの環境が違いましたが、同じお酒を飲みながらよく話していました。そういった今までの僕らの関係性などを、芝居を通してぶつけられたらいいなと思います」と意気込みを語っている。
自身が演じるチャーリーについては「実は、僕とチャーリーは似ているところがあるんですよ」といい、「僕は世間の皆様からしたら何者でもないときに、『小栗旬の友人です』と言っていたんです。これは、端から見れば人を利用するようなことだったと思うんですけど、僕はそれをいとわなかったんですよ。方法は何であれ、とにかく皆さんに存在を知ってもらって、一つでも多くの役をやって、そこから僕をジャッジしてもらいたいと思っていたので。だから、人を利用するチャーリーのやり方が理解できてしまうところがあります。僕自身も勝ち残るために自分を変えてでもやってきたところはなきにしもあらずなので、そのへんはすごく役として意識しています」と明かしている。
さらにムロさんは「皆さんが持っている喜劇寄りのムロツヨシのイメージではないムロツヨシをお見せする機会が持てましたので、どうか今回ばかりは笑わない準備をして、役者ムロツヨシを見ていただきたいと思います。そして、小栗旬君を筆頭に、すてきな役者さんたちのお芝居を山崎豊子さんの世界で楽しんでいただけたらと思います」とメッセージを寄せている。
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