佐藤健:日本マラソンの発祥を描く主演作で忍びに 土橋章宏の小説を映画化

映画「サムライマラソン」に出演する(上段左から)佐藤健さん、小松菜奈さん、森山未來さん、染谷将太さん、(下段左から)青木崇高さん、竹中直人さん、豊川悦司さん、長谷川博己さん (C)“SAMURAI MARATHON 1855”FILM Partners GAGA.NE.JP/SAMURAIMARATHON
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映画「サムライマラソン」に出演する(上段左から)佐藤健さん、小松菜奈さん、森山未來さん、染谷将太さん、(下段左から)青木崇高さん、竹中直人さん、豊川悦司さん、長谷川博己さん (C)“SAMURAI MARATHON 1855”FILM Partners GAGA.NE.JP/SAMURAIMARATHON

 日本マラソンの発祥といわれる史実「安政遠足(あんせいとおあし)」を舞台にした土橋章宏さんの小説「幕末まらそん侍」(ハルキ文庫)を映画化した「サムライマラソン」が2019年2月22日に公開され、俳優の佐藤健さんが主演することが18日、明らかになった。佐藤さんは、忍びの唐沢甚内(じんない)を演じる。また小松菜奈さん、森山未來さん、染谷将太さん、青木崇高さん、竹中直人さん、豊川悦司さん、長谷川博己さんらが出演することも発表され、特報映像も解禁された。

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 物語は幕末が舞台。迫る外国の脅威に備え、安中藩主の板倉勝明は藩士を鍛えるため、約58キロ(十五里)の山道を走る遠足を開催する。しかし、この動きが幕府への反逆とみなされ、藩士不在の城に安中藩とり潰しを狙う刺客が送り込まれる。その危機を、ただ一人知った男は、計画を食い止めるため、走りだす……と展開する。

 佐藤が演じる唐沢は、普段は平凡な侍だが、実は幕府のスパイとして藩に潜入している忍びで、遠足に参加している時、藩に迫る危機をいち早く察知する役どころだ。

 小松さんは藩主の娘・雪姫を演じ、森山さんが藩の重役の息子で野心あふれる侍・辻村平九郎、染谷さんが侍に憧れる足軽・上杉広之進、青木さんが唐沢の上司・植木義邦(よしくに)、竹中さんが隠居を言い渡された老侍・栗田又衛門、豊川さんが安中藩に刺客を放つ幕府大老・五百鬼祐虎(いおき・すけとら)、長谷川さんが藩士達に遠足を申しつける藩主・板倉勝明を演じる。ほかに門脇麦さん、中川大志さん、小関裕太さん、阿部純子さん、奈緒さん、福崎那由他さんらも出演する。

 キャッチコピーは「行きはマラソン、帰りは戦」で、特報映像には、それぞれの思いを胸に走る侍の姿や、迫力の剣術アクションなどが映し出されている。

 映画は、さまざまな組織団体がオリンピック・パラリンピックとつながりを持ちながら2020年の大会に向けた参画・機運醸成・レガシー創出のアクションを実施するプログラム「東京2020参画プログラム」の一つ。日本マラソンの発祥といわれる「安政遠足」と東京五輪との親和性や、20年以降のレガシー創出につながるプロジェクトとして「東京2020公認プログラム」に認証された。

 企画・プロデュースは、アカデミー賞作品賞などを受賞した「ラストエンペラー」を製作した世界的プロデューサー、ジェレミー・トーマスさんと、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の中沢敏明さんが務める。2人は映画「十三人の刺客」を手がけたコンビ。また映画「キャンディマン」などのバーナード・ローズ監督が、トーマスさんに抜てきされ、メガホンをとり、音楽は「めぐりあう時間たち」などで3度、アカデミー賞作曲賞にノミネートされたフィリップ・グラスさん、衣装デザインは「乱」でアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したワダエミさんが担当する。

 ◇ジェレミー・トーマスプロデューサーのコメント

 「キャンディマン」や「不滅の恋 ベートーヴェン」などで知られるバーナード・ローズを監督に迎え、中沢敏明プロデューサーと再びタッグを組み、サムライがマラソンに挑んだという、独創的でインパクトある史実を題材にした物語を映画化しました。衣装デザインのワダエミ、音楽のフィリップ・グラスなど最高のスタッフと、ファンタスティックなキャストが集結し、強烈な映画体験を創り上げました。日本はもちろんのこと、世界中の観客に楽しんでもらえる革新的なサムライ映画になりました。

 ◇バーナード・ローズ監督のコメント

 サイレント映画を撮るように、俳優のフィジカルな身体的表現力と映像の力を最大限に生かした作品作りをしたことで、映像で物語る、映画本来のアプローチによる力強い作品になりました。

 今まで多くの俳優と仕事をしてきましたが、佐藤健さんのように、抜群の身体能力と繊細な表現力を兼ね備えた俳優は初めてでした。また、雪姫を演じた小松菜奈さんは、難しい役でしたが、上品かつ力強い印象的な女性を演じ切ってくれました。森山未來さん、染谷将太さん、青木崇高さん、竹中直人さん、豊川悦司さん、長谷川博己さんら、出演いただいた俳優は皆、素晴らしいポテンシャルをこの映画の中で発揮していただき、才能あふれるスタッフに参加していただけたことも、とても幸運でした。

 私にとって心から誇れる映画となり、間もなく皆さまにご覧いただけることを感慨深く思っています。

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