人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第6章「回生篇」(羽原信義監督)が11月2日公開される。アベルト・デスラー役の声優、山寺宏一さんにとって、8月に亡くなった声優の石塚運昇さんとの最後の共演になった。エンディングテーマ「大いなる和」も担当した山寺さんに、石塚さんへの思い、エンディングテーマについて聞いた。
ウナギノボリ
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「宇宙戦艦ヤマト2202」は、2012~14年に劇場上映、テレビ放送された「宇宙戦艦ヤマト2199」の続編で、1978年に公開された「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」がモチーフ。山寺さんは「2199」から引き続きデスラーを演じ、故・石塚さんはヤマト第2代艦長の土方竜を演じた。
石塚さんは「ポケットモンスター」のナレーションや「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」のジョセフ・ジョースター役などで知られ、渋い声質から数々のアニメや映画、海外ドラマの吹き替えで壮年男性の役を演じてきた。8月に食道がんのため死去した。
山寺さんと石塚さんは「カウボーイビバップ」などさまざまな作品で共演してきた。第6章の見どころを聞く中で山寺さんは、石塚さんへの思いを語り始めた。「いろいろな作品で共演させていただいた。昨年、病気のことを伺い、奇跡を願っていました。最後にお会いしたのは『ヤマト』の現場。『調子がいいんだよ!』と笑っていた。まだ受け入れられていない」と振り返る。
「大好きな『ヤマト』で共演できたことがうれしかった。最後まで一緒にやりたかった」「第6章は、土方のせりふをぜひ聞いてほしいです。あの声の響き、すごいですよ。絶対に聞いてほしいです」と力を込める。
石塚さんは第6章のアフレコに最後まで参加できず、楠見尚己さんが土方役を引き継いだ。山寺さんは「楠見さんも見事に土方を演じられています。素晴らしい演技で引き継いでいる。運昇さんも喜んでいると思います」と話す。
山寺さんは第6章のエンディングテーマ「大いなる和」を担当した。コンポーザーチーム「S.E.N.S. Project」がプロデュースした楽曲。山寺さんにとって「キャラクターソング、企画ものはありますが、自分の名義で歌うのは久しぶり」という。
レコーディングは「エンディングテーマということで、びっくりしました。デスラーソングだと思ったら、違った。レコーディングでは『山寺さんの代表作にしましょう!』と言われ、難しかったのですが、気持ち良く歌いました。いろいろな思いがあふれてきたんですよ。うまいと思われたいとか、こうやったら格好よく聴けるんじゃないか……などと考えず、自分の気持ちで歌いました」と臨んだ。「僕の中では、レコーディングの日に代表曲になりました。車の中で毎日のように大音量で聴いています」とすっかりお気に入りのようだ。
自身名義での歌手活動は久しぶりのようだが、「いろいろな方のライブに呼んでいただけることがあり、大きな会場で歌っていますが、ソロライブもやりたいですね。アルバムも出したいですし」と意欲を燃やす。
石塚さんとの共演、エンディングテーマなど第6章は山寺さんにとって大切な作品になった。第6章はヤマトの意志を受け継ぐ新たな艦、ヤマト級・銀河も登場。派手なバトルシーンなど見どころが多いが、熱演、歌に耳を傾けてほしい。
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