特撮ドラマ「仮面ライダービルド」の劇場版「劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)」が4日から公開される。“最強の敵”仮面ライダーブラッドに変身する東都の知事・伊能賢剛役で出演しているのが俳優の勝村政信さんだ。映画やドラマ、舞台で幅広い役柄をこなし、名バイプレーヤーとして知られる勝村さんだが、仮面ライダー役は「自分の役者人生の中で想定していなかった」と話す。以前、変身ポーズを辞退していたことを明かし、ネットをざわつかせた勝村さんに、その真相についても聞いた。
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自身の役者人生を振り返り、「僕はいわゆる体が強い、けんかが強いという役をやってこなかったですし、何かと戦うということとは無縁だった」と話す勝村さん。それだけに今回の仮面ライダーブラッド/伊能賢剛という役との出会いには「新鮮な驚き」があった。
「ロッキーやランボーみたいな役には近づかないっていうのが、自分の中にはあったんです。この年齢(55歳)になって、いざ、こういう役が来てみると楽しくてしょうがなくて。周りはなかなか認めてくれないですけど、すべてにおいて完全なおじさんですから。そうすると逆に、こういう役を素直に受け入れることができるんだ、という驚きもありつつ、自分の中で頬が緩むような感覚もあって、『ちょっとやってみちゃおうかな』って、出演は自然な流れでしたね」と語る。
地球滅亡をたくらむ地球外生命体で、民衆を洗脳して「ビルド殲滅(せんめつ)計画」を推し進める仮面ライダーブラッド/伊能賢剛を演じてみた感想は「単純に楽しかった」といい、「現場にこのスーツがあって、スーツアクターの方たちもいる。スーツアクターもベテランの方々なんですけど、いまだに体を鍛えていらっしゃっていて、動きも衰えていない。実際にその方たちとお会いして、お話をさせていただいて、同年代の方たちが子供の夢を背負ってすごいことをやっている……。新鮮な驚きでしたね」としみじみ。
気になるのが、「変身ポーズ辞退」の真相だ。6月に行われた映画の製作発表会見で、勝村さんは「監督から『変身ポーズとかどうしましょう?』って聞かれたんですけど、『変身ポーズはなくても、年も年なので』って言ったんです」と自ら辞退していたことを明かし、ファンからは「なんで?」「もったいない!」などの声が上がっていた。
改めて真相を尋ねると、勝村さんは「最初に台本を読んで、役がインプットされたとき、まずは想像がつかなかった。仮面ライダーブラッドが“最強の敵”であることや僕の年齢も考えると、変身ポーズはむしろ排除した方がいいのかなって思ったというか。普通にしていることこそが、一番強く見えるんじゃないか」と告白。「あくまで役作りの一環として、なくした方がいいのかなっていうのが本当のところ。もちろんベタベタに変身するっていうのもあったんでしょうけど、ない方がブラッドには合っていたと今でも思っていますし、選択は間違っていなかったと思う」と力を込める。
そんな勝村さんは敵役に特別な思い入れがあるようで、「子供のころ、ライダーごっこをするときに、自分の兄が必ず敵をやっていたんですね。なんでなんだろう、絶対にライダーの方がいいのにって、子供心に不思議に思っていたんです。芝居を始めるようになって、敵の方が全然面白いじゃないかと気づいて。特にこういうヒーローものは、強くて、強大な敵が現れるというのが醍醐味(だいごみ)。敵が強ければ強いほど、ヒーローの輝きは増す。そういう意味でも、今回はこれ以上ない役をいただけたと思っています」と満足そうに話した。
「劇場版 仮面ライダービルド Be The One」は、東都、西都、北都で繰り広げられた戦争が終結し、パンドラタワーに新政府が樹立。三つの首都には、これまでの首相に代わってそれぞれ知事が置かれ、平和のための新体制が確立されたはずだったが、再び大きな脅威が桐生戦兎(仮面ライダービルド)の前に立ちはだかる……というストーリー。「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film」と2本立てで4日から全国で公開される。
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