富田望生:脇役で存在感を放つ新進女優が舞台初挑戦 広瀬すずの“背中”に感化も

「ハングマン」で舞台初挑戦する富田望生さん
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「ハングマン」で舞台初挑戦する富田望生さん

 映画「ソロモンの偽証」(2015年)、「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」「あさひなぐ」(ともに17年)などにぽっちゃりした“脇役”として出演し、その存在感がインターネットなどで話題の新進女優の富田望生(とみた・みう)さん(18)。そんな富田さんが16日から東京・世田谷パブリックシアターなどで上演される「ハングマン」で舞台に初挑戦する。富田さんに意気込みや理想の女優像などについて聞いた。

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 ◇「役に一生懸命向き合う」 広瀬すずから“影響”「すぐ実行した」

 インターネットでの評判については「素直にすごくうれしかったです」とにっこり。「私が今まで出合ってきた作品は、主演やヒロインじゃなくてもその作品(の印象)に残るキャラクターで、恵まれているという感覚を持っています。見ていただいた方たちに、そう思ってもらえたのがうれしいですし、私がその役をやってよかったなって改めて思いました」と笑顔で語る。

 「チア☆ダン~」、今年公開される「SUNNY 強い気持ち・強い愛」で共演した広瀬すずさんと親交が続いているという。「すずは作品に対する姿勢が本当にすごいんです。すずには(役に対して)集中力を保つ方法とか興味深く聞いたこともあります」と明かす。

 さらに、「『チア☆ダン~』のときにすずは、ダンスをストイックに練習していて、周りを奮い立たせてくれたんです。私が『あさひなぐ』に出演した時、主演ではなかったですけど、本気でなぎなたをやることで、(共演した)乃木坂46の皆さんが怖がらずに本気でやってくれたことがうれしかったです。すずの背中を見て感じたことを、私もすぐに実行させていただきました」とうれしそうに振り返る。

 目指している女優像は「樹木希林さんです。主演をされているときは主演なんだけど、脇役のときは作品の中にナチュラルに存在されている。その存在感がすごいって感じています」といい、「私も役の番手を気にするよりも、今やっている役に一生懸命向き合うことを大切にしています」と話す。

 ◇念願の初舞台 思春期ならではのエピソードも

 富田さんが今回出演する「ハングマン」は、2015年にマーティン・マクドナーさんが演出した同名作品を、劇作家の長塚圭史さんが演出を務める。富田さんは、田中哲司さん演じる主人公で元死刑執行人のハリーの娘・シャーリーを演じる。ハリーの妻・アリス役で秋山菜津子さん、ロンドンなまりの若者・ムーニー役で大東駿介さんが出演するほか、宮崎吐夢さん、大森博史さん、羽場裕一さんらも出演する。

 物語は、1963年、イングランドの刑務所。絞首刑執行人(ハングマン)のハリー(田中さん)は、連続婦女殺人犯のヘネシー(村上航さん)の刑を執行しようとしていた。冤罪(えんざい)を訴えるヘネシーに対し、ハリーは乱暴に刑を執行する。2年後、死刑制度が廃止になった日。イングランド北西部の町・オールダムでハリーと 妻のアリス(秋山さん)が切り盛りする小さなパブに、不穏な空気をまとう若者・ムーニー(大東さん)が入ってくる。翌日も店に来たムーニーは、ハリーの娘のシャーリー(富田さん)と一緒に出かける約束をする。その後、ムーニーは姿を消し、シャーリーは夜になっても帰ってこず……という展開。

 富田さんは、「ソロモンの偽証」で共演した池谷のぶえさんの舞台出演作を見て、舞台への出演に憧れを持ったといい、「生のお芝居という部分に一番魅力を感じています」と力を込める。さらに、「池谷さんの舞台を見に行く度に『舞台に立ちたい』って言っていました。ハングマンへの出演が決まったときに、すぐ池谷さんに連絡をしました。そうしたら『やっとだね。おめでとう』って言っていただけて(笑い)」と明かす。

 シャーリーを「とにかく演じたかった。オーディションは楽しくてしょうがなかった」という富田さん。「シャーリーは考えや発言が真っすぐな思春期まっただ中っていう感じの子。私も思春期のときに親に反発していました。母には『私、思春期だからよろしくね!』って言ったり(笑い)。自分が持っている感情が上手に表現できなかったり、共感できる部分がたくさんありました」と語る。

 ◇初めての稽古では水を飲むタイミングも分からず

 舞台への挑戦は初めてだ。舞台の稽古(けいこ)の仕方も知らなかったという富田さんは「異世界だと思いました。初日に『どうしよう』って。いつ、水を飲んでもいいんだろうとか分からず、ずっと台本を見ていました。座っているだけなのに、手汗がすごかった」と苦笑い。「(演出の)長塚圭史さんから演技のアドバイスをいただいたり、共演者の方たちとこの作品について考えたり。今では、稽古が楽しくて、楽しくて」と、声をはずませた。

 舞台については「この作品をよくしようと、みんなで考えて作り上げている作品。アドリブがバンバン出るっていう感じではなく、しっかり作り込んでいます。そこが本当に面白く、楽しみです」といい、「シャーリーとして、(私と)同世代の方たちにどうしても見てもらいたいです。共感してもらえる部分がたくさんあると思います」とメッセージを送った。

 舞台「ハングマン」は、世田谷パブリックシアターで16~27日まで上演。愛知、北九州、京都でも公演される。25歳以下の割引チケットなども用意している。

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