映画やテレビドラマなどで活躍した俳優やプロデューサー、作品を表彰する「第42回エランドール賞」の新人賞を俳優のムロツヨシさんが受賞し、1日に東京都内で行われた授賞式に出席した。ムロさんは「新人賞を受賞しました、役者、42歳です」と切り出して笑いを誘い、「関係者の方によると、おそらく、エランドール新人賞としては最年長だと……」とコメント。「役者を目指しまして23年ぐらいたちますが、初めての賞。トロフィーというものを持ったことがない人生でして。初めてトロフィーを持ちながらこんな大勢のカメラの前でしゃべる日が来るとは。ありがたく思っています」と感慨深げに語った。
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20代のころは「将来性を諦める毎日でした」というムロさんは、「30代のころ一番感謝しないといけない人間がいます」と語り、「まだ何もできなかったころ、福田雄一(監督)という男が『好きなようにやっていいよムロ君』と。あの日からみなさんの見てくれる目が変わって、少しずつ名前を覚えていただけたような気がします」と明かし、「この場を借りてお礼を言いたいと思います」と福田監督への感謝を表現した。
その後、福田監督がゲストで登場し、「僕が落ち込んでいるとき、『死にたいほど落ち込んでいます』と言ったら、(ムロさんが)『雄一さんが死んだら僕も死ななきゃいけないので、早めに教えてください』と言ってくれたのがすごくうれしくて、本当に元気になれた。みんなにそういうことができる役者だと思います」とムロさんとの熱い友情エピソードを明かしていた。
また、昨年のNHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」に出演していたムロさんは、同ドラマの打ち上げの際に、5年後の大河ドラマの主演をアピールしたが、NHKのスタッフの誰にも目を合わせてもらえなかったというエピソードを冗談交じりに明かして会場を笑わせ、「5年後楽しみにしていてください。大河ドラマの主演はムロツヨシです!」と力強く宣言して喝采を浴びていた。
新人賞はスター性と演技力を兼ね備え、次代の映画やテレビを背負って立つことが期待される俳優に贈られる賞で、竹内涼真さん、高橋一生さん、杉咲花さん、吉岡里帆さん、門脇麦さんらも受賞した。
「エランドール賞」は、日本映画テレビプロデューサー協会の主催で今回で42回目。プロデューサー賞は映画「三度目の殺人」(是枝裕和監督)の松崎薫さんとテレビドラマ「カルテット」の土井裕泰さん、佐野亜裕美さん。プロデューサー奨励賞は映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」(入江悠監督)の北島直明さんと小出真佐樹さん、NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」の菓子浩さん、テレビドラマ「奥様は、取り扱い注意」の枝見洋子さんに贈られ、特別賞はNHKのドラマ「精霊の守り人」制作チームとテレビ朝日系のドラマ「やすらぎの郷」制作チームが受賞した。
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