大和和紀さんの人気少女マンガが原作の劇場版アニメ「はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳」(古橋一浩監督)が11日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開される。原作の連載40周年を記念した企画で、約38年ぶりのアニメ化。大正時代を舞台に、剣道が特技でじゃじゃ馬な“はいからさん”こと花村紅緒が、婚約者の陸軍少尉・伊集院忍との結婚に反発しながらも、少しずつ引かれていく胸キュンな恋の様子などが描かれる。
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10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
女学校に通う17歳の紅緒は、ある日、笑い上戸のイケメン少尉・忍と出会う。実は忍が祖父母の時代から決められていた許嫁(いいなずけ)だと知った紅緒は反発し、愛のない結婚を阻止するためにさまざまな騒動を起こす。だが忍に少しずつ引かれていき……というストーリー。
声優の早見沙織さんが紅緒、宮野真守さんが忍の声を担当。梶裕貴さんが紅緒の幼なじみ・藤枝蘭丸、櫻井孝宏さんが出版社の社長・青江冬星、瀬戸麻沙美さんが紅緒の親友・北小路環、中井和哉さんがシベリアに出兵した軍曹・鬼島森吾の声を担当する。
「後編 ~花の東京大ロマン~」は18年に公開される。
原作は、1975~77年に「週刊少女フレンド」(講談社)で連載され、第1回講談社漫画賞少女漫画部門を受賞した人気マンガ。78~79年に全42話のテレビアニメが放送されたほか、87年に南野陽子さん、阿部寛さん主演の実写映画が公開された。79、85、2002年にテレビドラマも放送された。
一世を風靡(ふうび)した人気作が再び劇場版で帰ってきた。期待に胸躍らせて見始めると、冒頭から紅緒のハイテンションぶりが際立っていて、一瞬で「はいからさん」ワールドに引き込まれていく。快活で小気味よく、メリハリの利いた語り口には、「まさに紅緒!」とうならせられた。
絵柄こそ現代風のアレンジがなされているものの、反発しつつも引かれていくという王道の“胸キュン”展開を軸に、サクサクと進むテンポの良さ、紅緒の心理描写、忍の非の打ちどころのないイケメンぶり……と、原作の魅力が忠実に再現されているように感じられた。
テレビアニメシリーズでは未完だった原作エピソードが今作では完結まで描かれるということで、急展開の後編がどのようになるのかも楽しみだ。(河鰭悠太郎/フリーライター)
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