低予算Flashアニメーション「鷹の爪団」シリーズの劇場版9作目は、米国のDCエンターテインメントのヒーローたちと異色タッグを組んだ「DCスーパーヒーローズvs鷹の爪団」(FROGMAN監督)。21日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開される。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンなどのジャスティス・リーグが、ゆるいキャラクターでおなじみの吉田くんたちと共に、東京の街を救うべく戦いを繰り広げる。両者が同じカットに収まる奇跡のコラボレーションに、笑いと驚きが満載だ。
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2017年の東京。シェアハウスに住むジョーカーとハーレイ・クインらは、鷹の爪団の秘密兵器を奪って資金にし、巨大モンスター「シン・入社員」を使って街を壊滅させ、映画をつくろうと企んでいた。
ジョーカーたちを追ってきたジャスティス・リーグのヒーローたちと戦うことになった鷹の爪団だったが、派手なアクションシーンのために映画の予算が足りなくなってしまう。そこで、アメリカまで行き、バットマンの資金力に頼ろうとするが……というストーリー。
バットマンの声を俳優の山田孝之さんが担当しているほか、ハーレイ・クインを知英さん、ジョーカーを安田顕さん、そのほか鈴村健一さん、松本梨香さんらが声優を務めている。
吉田くんたちとDCヒーローたちが同じカットに収まり、独自の世界を作り上げている違和感が楽しい。「ワンダーウーマン」(公開中)、「ジャスティス・リーグ」(23日公開)と、DC作品が次々と日本で公開される中、ヒーローたちが今作で集結し、ド派手なアクションを展開。お陰で予算が減り、雑な作画になってしまうため、戦いを続けられるのか見ているこちらもハラハラさせられる。
自宅に引きこもっているバットマンの、幼少期のトラウマを取り除こうとするくだりなど、ヒーローの人間的な部分も描かれている。世界の人気ヒーローたちが、小ネタいっぱいの鷹の爪ワールドに染まっているのも面白い。
バットマン、スーパーマンらのキャラクターデザインと2Dパートでジャスティス・リーグの持ち前の派手なアクション演出を担当したのは、アニメーション制作会社のGOZO。3DCGパートは劇場版3Dアニメ「STAND BY ME ドラえもん」(2014年)などで知られる白組が担当し、1作の中でさまざまなアニメーションの表現を楽しめる。監督・脚本・原案のFROGMANさんが数年かけてようやく完成させた力作だ。(キョーコ/フリーライター)
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