浪曲は日本の誇る一人ミュージカル。だが、生の舞台に触れる機会はなかなか少ない。そんな方でも楽しめる公演を、「ケイコ先生」から浪曲界に飛び込んだ春野恵子さん、上方浪曲界の重鎮、京山幸枝若(こうしわか)さん、そして入門4年目、ヘビーメタルバンドのボーカルだった若手、京山幸太さんという関西を拠点にする3人が23日、東京で開く。「念願叶って東京公演・特別編!浪花ともあれ浪曲三人舞台」は初浪曲の方もハマるに違いない。
ウナギノボリ
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「進ぬ!電波少年」(日本テレビ系)の企画「電波少年的東大一直線」で、「東大卒のケイコ先生」として注目された恵子さん。2003年、たまたま出会った浪曲に衝撃を受け、上方浪曲の第一人者、二代目春野百合子さん(2016年、89歳で死去)に入門。修業に励み、今では関西浪曲界の中堅として、大劇場から小スペースまで公演を開き、浪曲を知ってもらおうと活動を続けている。
そんな恵子さんを見守ってきたのが幸枝若さんだ。「なんとかこの芸能を残さないかん。今は人数が少ないから、わずかしか教えてあげられない」と話すが、「恵子をしごく会」で恵子さんを指導するなど、若手育成にも力を入れてきた。
「東京のお客さんに、面白い上方の浪曲を知らせたい。そうすることで、浪曲全体を盛り上げたい。関西で、花がある若手、ひょっとしたら化けるのでは、というのは、恵子ちゃんと(弟子の)幸太、この2人かな。この2人が注目されれば浪曲界は盛り上がっていくと思う」と期待する。
弟子の幸太さんは「東京の会は、先輩の前でおもいっきりやれる会。(幸枝若)師匠や恵子姉さんからのダメ出しは、それはもう星の数ほどで、恵子姉さんからは『楽屋の冷蔵庫ちゃんと掃除した?』とか言われてます。若手の中で一つ頭抜けないとあかんなと思って頑張ります」と話す。
幸枝若さんは、2人に対して、「古典はしっかりやれるようにしてほしい。あとはどうやって売れるか、知ってもらうか。視聴率のええ番組に出られるか、考えながらやっていかないといけない。関心のない人にも、浪曲っていいなと思ってもらうには、売れないと絶対ダメです」と強調した。
公演は23日午後7時、東京都千代田区の内幸町ホール(新橋駅下車)で。ゲストは、浪曲師役の演技で紀伊國屋演劇賞を受賞した女優、熊谷真実さん。問い合わせは事務局(080・6196・7150)まで。(油井雅和/毎日新聞)
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