話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、バンドに青春をかける若者たちの姿を描いたアニメ「風夏」です。ディオメディアの草川啓造監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
--作品の概要と魅力は。
高校生の主人公・榛名優と、町で偶然出会った秋月風夏とのボーイ・ミーツ・ガールの物語です。そこに優の幼なじみのシンガー・ソングライター・氷無小雪が絡んできて三角関係の展開になります。そこまでは王道の恋愛ものなのですが、風夏が「軽音部を立ち上げる」と宣言してからバンドものの要素が多くなってきて、恋愛+バンドを軸に物語が進んでいく所が魅力になっています。
--アニメにするときに心がけたことは。
原作の瀬尾先生の作品は世界観が地続きになっているものが多くて、「涼風」「君のいる町」と、舞台になっている場所が同じ(東京の)成増だったり、高校が同じデザインだったり、登場人物が一部重なっていたりするので、そういった要素をなるべくアニメにも取り入れていきたいと思いました。第9話には「カフェレストラン天見」という「涼風」に登場する喫茶店が出てきて、ゲストキャラクターもいますよ。
--作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?
こぼれ話といえば、原作の1巻を見ると、主人公の優くんがスマホを左手で操作しているコマが多かったので、きっと彼は左利きに違いないと思って、何かを操作する時は左手でやるように作業していたのですが、瀬尾先生に確認したら全然そういうつもりはなかったらしく、全部右手に直すことがありました。第1話では、一部左手で持っている所がありますが、そこだけは原作の絵面を優先しました。
大変なことといえば、中盤からバンドもの要素が増えてきて、音楽と絵を合わせる必要が多々発生してなかなか苦戦しました。上がってきた絵コンテを元に、おおまかに曲を編集して、リズムに合わせてカットを足したりしながら、キリの良い所で曲が終わるように計算するのが、なかなかの労力を使います。
--今後のみどころを教えてください。
アニメでは第8話から原作とは違う展開になっていきますが、この先どうなるのか、優くんと風夏、そして小雪との関係はいったいどこへ行くのか、優くんはどう成長していくのか、その辺りを毎週ドキドキしながら見てもらえれば、と思います。
--ファンへ一言お願いします。
テレビで見て楽しんでいただいて、さらにDVDとブルーレイを買っていただけたら本当にうれしく思います。特典で瀬尾先生の書き下ろしのムフフな描きおろしマンガもつくみたいですしね。ぜひ、よろしくお願いします!
ディオメディア 演出部 監督 草川啓造
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